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『United Kingdom』(MOVIE RECIPE)

『イギリスの歴史』
イギリスはさすが長きにわたって世界を支配していた大国だけあって、その歴史映画は他と一線を画します。英語での略称『United Kingdom』の意味は『連合王国』。隣国アイルランドを代表とした『帝国』の余韻を引きずる英国の光と闇とは。

MEMO
運営者の映画経験と共にレシピ内の情報が変更されます。主に『追加』ですが、一度ご購入された方はそのまま追加された情報も含めて、このページの情報を永久にご覧になれます。

 

MOVIE RECIPE

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『MOVIE RECIPE』-映画がより楽しくなる魔法のレシピ-

 

このレシピの詳細
  • レシピ数:5
  • 紹介映画:64

 

当記事は半分まで無料で閲覧可能です。また、下記『MOVIE RECIPE1:冒険者たち』が全て無料で閲覧できるようになっていますので、参考までに。

 

 

1.『~1900年』

1900年までのイギリスの時代を舞台にした映画を、なるべく時系列順で紹介する。

イギリスは『イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド』でできている国だ。世界的にはUK(ユナイテッドキングダム)と言うのが普通で、『イングランド』の語源となったのはアングロサクソンだ。アングロサクソン人がイングランドの基盤を作った。375年にゲルマン人の大移動によってヨーロッパを支配していたローマ帝国は崩れていく。

 

395年にローマ帝国が東西に分裂。409年にローマ帝国がブリタニアを放棄した後、現在のデンマーク、北部ドイツ周辺にいたゲルマン人が、現在のイギリスがあるグレートブリテン島に渡ってきた。彼らは先住のケルト系ブリトン人を支配し、ケルト文化を駆逐した。これが英国における最初のアングロ・サクソン人である。彼らの言葉が英語の基礎となった。

 

476年にゲルマン人のオドアケルによって西ローマ帝国が滅びる。西洋史では、ここが古代と中世の転換点となる。ちょうどそのあたりの時代を舞台にした『キング・アーサー』は伝説が混じっているが、当時の時代背景を考えるにはいい映画である。下記の記事に詳細は書いたが、アングロサクソン人らがイングランドのあるグレートブリテン島に侵入して『アングロサクソン七王国』を作る。

 

  • アルフレッド大王(871~899年)
  • クヌート(1016~1035年)
  • エドワード証聖王(懺悔王)(1004~1066年)

 

と続き、1066年にエドワード証聖王が死ぬと、従妹のノルマンディー公ギョーム2世(後のウィリアム1世)が王位継承権を主張。海を渡ってイングランドへ侵攻する。『ノルマン・コンクエスト』である。その後、

 

  • 獅子心王リチャード1世
  • 十字軍
  • エドワード黒太子
  • フランスとの百年戦争

 

などの活躍や歴史があり、イングランドが徐々に力をつけてきてエリザベス女王の時代に黄金期を迎える。クロムウェルの時代に英国王チャールズ1世を処刑し、英国史上唯一の共和制を敷くも、すぐに王政が復活し、1689年に立憲君主制が確立。王が勢力を誇ったり、いなくなったり、君臨すれども統治しなかったりして、ヴィクトリア女王の時代に『大英帝国』の最盛期を迎えるが、植民地の独立、戦争などの影響で国力が衰退し、現在に至る。

 

 

今回配合するレシピはこちらです!

 

  1. 『キング・アーサー』
  2. 『ヴァイキング・サーガ』
  3. 『征服王ウィリアム ソード・コンクエスト』
  4. 『バトル・フィールド』
  5. 『ロビン・フッド』
  6. 『キングダム・オブ・ヘブン』
  7. 『ブレイブハート』
  8. 『ジャンヌ・ダルク』
  9. 『ブーリン家の姉妹』
  10. 『エリザベス』
  11. 『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』
  12. 『エリザベス:ゴールデンエイジ』
  13. 『もうひとりのシェイクスピア』
  14. 『恋におちたシェイクスピア』
  15. 『クロムウェル』
  16. 『リバティーン』
  17. 『女王陛下のお気に入り』
  18. 『アメイジング・グレイス』
  19. 『ある公爵夫人の生涯』
  20. 『パトリオット』
  21. 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』
  22. 『マニカルニカ ジャーンシーの女王』
  23. 『アンナと王様』
  24. 『ヴィクトリア女王 最期の秘密』
  25. 『エレファント・マン』

 

 

452年。『アーサー王とサクソン人の戦い』。『アーサー王伝説』はあくまでも伝説の域に過ぎないが、この映画を観ると別に彼らのような人が存在していたと考えてもそうおかしくはないと感じる。400年代の『イギリスができる前』の西洋の様子が想像できるのも貴重。

 

 

 

 

731年頃。内容はぞんざいに見えても、舞台となるノーサンブリア王国とは、アングロサクソン人が築いた七王国のうち最北、現在のノーサンバランドにあったアングル人の王国である。ここにあったリンディスファーン修道院はヴァイキングによって731年略奪を受けてしまうが、その時のシーンを切り取ったものが描かれる。

 

 

 

 

1066年頃。ノルマン人のウィリアム1世はグレートブリテン島に渡り、そこにあったイングランドを制圧した。『ノルマン・コンクエスト』である。これは、彼がどのようにしてそこまでに至ったかということを幼少時代から遡って描く歴史映画である。色々とクオリティを求めてはならない。

 

 

 

 

『征服王ウィリアム ソード・コンクエスト』が、『ノルマン・コンクエストに至るまで』という設定の映画で、バトルなどは何の臨場感もない映画とするなら、これはそのバトルに焦点を当てた映画だ。しかも、その映画の話の続きで、ウィリアム1世がイングランドを制圧した後の、同じ1066年の話である。

 

 

 

 

時代は12世紀末。十字軍の兵士としてフランスで戦っていたロビンフッド。彼は実在しないが、ここにもイギリスの『獅子王リチャード1世』という十字軍の重要人物が登場する。

 

 

 

 

1200年頃。1000年以上続くパレスチナ問題の最盛期とも言える、十字軍の英雄ボードゥワン4世と、イスラムの英雄サラディンがいた時代。十字軍にはイギリス人も多い。上記作品同様、『獅子王リチャード1世』が登場するシーンがある。

 

 

 

 

1280年頃。イングランドの支配からスコットランドを救った革命家ウィリアム・ウォレスを主人公とした映画。残虐で冷酷なイングランド王エドワード1世の侵略によって家族を殺害されるも、難を逃れるところから物語が始まる。

 

 

 

 

1400年頃。フランスの英雄として扱われてきたジャンヌ・ダルクを一人の少女という視点から描いた映画。イギリスとフランスが戦った百年戦争が描かれる。

 

 

 

 

1520年頃。『エリザベス女王の母アン・ブーリンの壮絶な人生』。アン・ブーリンは、ヘンリー8世と駆け落ち的な恋をして、英国国教会が作られた…というくらいまでなら知っている人もいるかもしれない。だが、エリザベス女王の母親は壮絶な人生を送った。

 

 

 

 

1560年頃。女王としても世界一有名だが、女性としても世界一有名ではないだろうか。それがエリザベス女王その人である。だが、彼女が英国の女王となるまで、そしてなってからもそれは、平たんな道ではなかった。

 

 

 

 

1580年頃。カトリックだった異母姉メアリー女王のあとに、プロテスタントのイングランド女王として即位したエリザベス。カトリック大国スペインの国王フェリペ2世のイングランド制圧や、イングランド王家の血を引くスコットランド女王メアリー・スチュアート、スペインとの『アルマダの海戦』等についての歴史が描かれる。

 

 

 

 

『エリザベス』の続編と言ってもいい。ちょうどあの映画が終わった後に何があったかを切り取った映画で、歴史映画に造詣が深い人にはたまらない作品だ。事実、批評家の評価も高いという。あのエリザベス女王がなぜメアリよりも有名になったのか。そこには、やはりこうしたいくつかのからくりが存在したのだ。そして、メアリ・スチュワートの息子ジェームズ1世はエリザベス女王の跡を継ぎ、その後のチャールズ1世の時に、クロムウェルが登場するのである。

 

 

 

 

エリザベス1世の治世である16世紀末から17世紀初頭が舞台となる。シェイクスピアの作品が別人によって書かれたとする「シェイクスピア別人説」のうち、第17代オックスフォード伯エドワード・ド・ヴィアを本当の作者とする説に基づいたフィクション。

 

 

 

 

同時代。『ロミオとジュリエット』の初演を背景とし、若かりし日のウィリアム・シェイクスピアと彼を信奉する上流階級の娘ヴァイオラとの恋愛を描く悲喜劇の恋愛映画。作中にはシェイクスピアを始め、エリザベス1世やクリストファー・マーロウなど、エリザベス朝を彩る歴史上の人物が多数登場する。

 

 

 

 

1642年、ピューリタン革命を起こしたクロムウェルだが、この男がこの話の端緒となるかもしれない。アイルランドはクロムウェルの征服により、以後イングランドの植民地的性格が強い土地となる。

 

 

 

 

1660年頃。イギリスに実在した天才詩人、第2代ロチェスター伯爵ジョン・ウィルモットの生涯を描いている。クロムウェルが王を処刑して独裁政権を取るも、死後に王政復古したイギリスは、技術、芸術様々な面で急速に発達していた。

 

 

 

 

18世紀初頭のイングランドを舞台にアン女王(1665年2月6日 – 1714年8月1日)の寵愛を奪い合う女性2人のしたたかな攻防を描いた宮廷ドラマ。

 

 

 

 

『イギリスがやめてもフランスが横取りするだけだ!』。この言葉は中々奥が深い。だが、そんな奴隷制度、帝国主義の渦中にあって、ウィルバーフォース(1759年8月24日 – 1833年7月29日)とピットが立ち向かうために燃やした正義の炎は、この世界に永遠に残る、勇気の炎である。

 

 

 

 

ダイアナ王妃の血筋でもあるジョージアナ・キャヴェンディッシュ (デヴォンシャー公爵夫人)の半生が描かれるが、彼女が嫁いだ場所で、彼女の居場所はなかった。

 

 

 

 

1780年頃。アメリカがイギリスから独立して『アメリカ合衆国』になる時代を切り取った映画だから、それだけで見ごたえは十分だ。主役のメルギブソンはその戦争のメインキャラクターではなく、あくまでも個人的な戦いとして戦争に参加するところもいい。そっちの戦争も十分見ごたえがある。

 

 

 

 

シリーズを通して、時代的に欧米列強の侵略に動揺する清朝末期の1860~1900年頃が描かれる。伝説の武道家である黄飛鴻(ウォン・フェイホン)を主役として、中国の歴史と併せながら物語がアクション的に展開される。

 

 

 

 

1858年頃。インド大反乱の女性指導者ラクシュミー・バーイーを描いている。この場合は上記作品と違って『謎の誇大演出』があるので、見づらい。歴史的にはかなり重要で、専門書にも名前が書いてあることが多い人物だけにもったいない。

 

 

 

 

1860年頃。『アンナとシャム王』の元になったアナ・リオノウンズの手記『英国婦人家庭教師とシャム宮廷』を原作に映画化された作品。タイは以前、『シャム』と言った。だが、理不尽なしきたりはあった。ここに家庭教師に来たアンナは壮絶な経験をすることになる。

 

 

 

 

1887年。インド女帝でもある英国のヴィクトリア女王ととあるインド人の奇妙な関係を描いている。

 

 

 

 

19世紀。『アレクサンドラ妃』が問うじょゆする。彼女はイギリス女王エリザベス2世等の曾祖母にあたる。ロンドン病院に関心が深く、頻繁に訪れていた。彼女の会った患者のひとりに「エレファント・マン」として知られるジョゼフ・メリックがいる。

 

 

 

運営者のIQから一言。

運営者

このあたりを考えると、『KKK』と呼ばれた白人至上主義団体と、アメリカに深く根付いている黒人差別問題の実態が浮き彫りになってきます。マニフェスト・デスティニー(明白なる天命)を掲げ、プロテスタントのアングロ・サクソン人などの北方系の白人のみがアダムの子孫であり、唯一、魂を持つ、神による選ばれし民として、他の人種から優先され隔離されるべきである、と主張する選民思想団体であるKKKは、アメリカ大陸を制圧していった1600年以降の行動を正当化しています。

 

1607年、北米にイギリス領『ヴァージニア植民地』が建設され、フランスもそれに対抗して『ルイジアナ植民地』を建設し、彼らの衝突は続きました。原住民との争いもあり、1622年3月22日の聖金曜日に、ヴァージニア植民地のジェームズタウンおよび周辺の入植地で、原住民インディアンと白人入植者の間で『ジェームズタウンの虐殺』が起こりました。『フレンチ・インディアン戦争(1755年–1763年)』が起こります。フランスとインディアンの同盟が、その領地をめぐってイギリスと衝突した戦争です。

 

白人がインディアンや黒人といった有色人種を迫害していき、結果的に勝利を収める。そうした事実が雪だるま式に転がっていって、1865年の『南北戦争』あたりからKKKのような考え方を持つ団体が生まれ、彼らは『我ら、アングロサクソンだけが人種の頂点にいる』という発想で、このイギリスという大国ができた当時の余韻に浸り続けているのです。アメリカ人でもイギリス人でもない。その源流にある『強者・アングロサクソン人』の血筋にしがみついているわけですね。

 

IQ