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人種差別はどこから始まったか。それは遡ればもちろん、古代の時代になる。世界を西洋と東洋に分けて考、トルコから日本を含めた東洋(オリエント)を馬鹿にし、ヨーロッパを世界の中心と考える傲慢もあった。だが今回はとりわけ、『黒人差別』について観てみよう。
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ピンとくる人がいないかもしれない。彼女が奴隷ビジネスという『汚い商売』に手を染めて国力を上げていったことについては触れていないからだ。しかし、スペインから覇権を奪ったエリザベス女王も、『大英帝国』の全盛期を築いたヴィクトリア女王も、その背景には奴隷ビジネスや、植民地ビジネスといった『闇の一面』が存在している。
イギリスの政治家、ウィリアム・ウィルバーフォースは、ヴィクトリア女王よりも優れた偉人かもしれない。『イギリスがやめてもフランスが横取りするだけだ!』というセリフは考えさせられるが、彼はその時代のど真ん中にあって、奴隷制度の廃止を訴えた。我々は最後、背筋を伸ばして『アメイジング・グレイス』を聴くことになるだろう。
実はリンカーンという人物は奴隷制度の廃止についてはそこまで熱心ではなかったという。彼が『政治家だった』ということだ。だが多くの人々は彼をアメリカ一愛される偉大な大統領だと認めているし、1862年の奴隷解放宣言を彼が行ったのは事実だ。
アミスタッド号事件は、1839年にスペイン籍の奴隷輸送船で起こった乗っ取り事件で、これはそれに関連してアメリカ合衆国で行われた一連の裁判についてだ。奴隷解放宣言が行われる前だから黒人の扱いはひどい。・・なんていうのは無知な一言で、『この時から』現在においても黒人は理不尽に殺されている。
南アフリカで人種問題と戦った人間と言えば、真っ先に思い浮かぶのがネルソン・マンデラ。だが、彼は1964年から実に27年間もの間投獄されてしまったのだ。では、その間に社会では誰が黒人解放の指揮を執ればいいか。そこで活躍したのが、スティーブ・ビコである。
1960年代のアメリカであった『公民権運動』。これは黒人が差別の為に立ち上がった運動である。その公民権運動指導者の代表者と言えば、メドガー・エバース、マルコム・X、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(キング牧師)だ。この映画では二人ほど知名度はないメドガーという指導者について知ることができる。
彼の母親は白人からレイプされた。そして生まれたのがマルコムXだ。母親は白人を恨み、より黒い黒人と結婚し、彼を産んだ。だが、その父親も死んだ。白人にリンチされたのに、警察はそれを自殺として片づけたのだ。彼の攻撃性を非難するのは簡単だ。だが彼の人生を理解することは、容易ではない。
アパルトヘイト体制下の南アフリカを舞台に、1人の少年がボクシングを通して人種の壁を越えて成長していく姿を描いたドラマ映画。自伝的小説を原作にしているので、実話ベースだ。主人公のスティーブン・ドーフは『タイタニック』のオファーが来ていた人物で、この映画は隠れた名作である。
南アフリカの大統領デクラークは、指導者ネルソン・マンデラをついに刑務所から釈放。だが、その時はすでに27年というあまりにも長い時が過ぎていた。「invictus」とは、ラテン語で「征服されない」「屈服しない」を意味する。
公民権法施行の後も人種差別が渦巻く1971年に、教育改革によりヴァージニア州に生まれた白人黒人混合の高校フットボールチームの選手達が描かれる。その根深い問題を根幹に抱えながらも、スポーツを通じて徐々に理解しあう感動の名作である。
アフロ・アメリカン(アフリカ系アメリカ人)初のメジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソンを描いた伝記映画で、「42」とはロビンソンが付けていた背番号。現在アメリカ・カナダの全ての野球チーム(メジャー、マイナーリーグ、独立リーグ、アマチュア野球に至るまで)で永久欠番となっている。
1964年に米ミシシッピ州フィラデルフィアで公民権運動家3人が殺害された事件がモデルになっている。アミスタッドの時代もリンカーンの時代も、公民権運動の時代も、そして現在も、『同じような事件・差別』は起き続けている。とりわけこの事件は、とても凄惨なものだった。
前述した1963年に起きたアフロ・アメリカンの公民権運動家メドガー・エヴァーズが射殺された。その犯人である白人至上主義者バイロン・デ・ラ・ベックウィズを実に30年後に有罪に持ち込んだ地方検事とメドガーの妻の闘いが描かれる。ここまでの指導者が殺されたのに、30年間の間犯人が無罪としてまかり通っていた。これがアメリカだ。
原作は1853年発表の、1841年にワシントンD.C.で誘拐され奴隷として売られた自由黒人ソロモン・ノーサップによる奴隷体験記”Twelve Years a Slave“(意味:12年間、奴隷として)。アミスタッドやアメイジング・グレイス、リンカーンの時代に近いときの、差別が色濃い時代の衝撃の実話。
ドイツ人賞金稼ぎに助けられた黒人奴隷が生き別れた妻を取り戻す西部劇で今回唯一のフィクションだが、アメリカ・世界共に、タランティーノ作品で最高収益を上げた『イングロリアス・バスターズ』を超えて大ヒットしたのでランクイン。
1967年のデトロイト暴動の最中に発生したアルジェ・モーテル事件を題材にしている。やはり60年代のアメリカというのは公民権運動もあったこともあり、『白人VS黒人』という構図が生まれやすく、衝突や事件が頻発してしまっていた。
アメリカ海軍史上、アフロ・アメリカンとして初めて「マスターダイバー」の称号を得た潜水士、「カール・ブラシア」の半生を周囲の人物との友情とともに描く。やはりこの時代、黒人が生きるだけでも大変なのに、何かを成し遂げようとするならもっと大変だった。
ジャマイカ系アメリカ人のピアニストであるドン”ドクター”シャーリーと運転手兼ボディガードを務めたイタリア系アメリカ人の警備員トニー・ヴァレロンガによって1962年に実際に行われたアメリカ最南部を回るコンサートツアーにインスパイアされた作品。知名度があっても、矢面に立って差別撤廃を主張しなくても、差別は行われる。
異人種間の結婚が違法とされていた1950年代のアメリカ合衆国バージニア州で、白人男性と黒人女性のラビング夫妻が『結婚をするかしないか』について突きつけられ、真実の答えを出す愛の物語。
奴隷というのはイジメに近いものがあり、イジメられる方にも原因がある・・と考えてしまう人がいますが、『ただ黒人というだけで』理不尽な扱いをされている人は大勢います。自分たちが奴隷の主人だったわけでもないのに、その感覚を知らないはずなのに、自分たちと対等でいることが許せないというのは、もはやイジメを超えた『病気』と言っていいでしょう。
上記作品も含め、黒人解放者として、指導者として立ち回った人物たちの映画をまとめる。
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1785年、ウィルバーフォースは残りの人生をかけて、神のために奉仕することに専念することを誓った。彼が助言を受けたひとりが福音主義的運動の主導的な立場にあった英国国教会の聖職者であるジョン・ニュートンであり、彼が『アメイジング・グレイス』の作詞者であった。
リンカーンは、『争いが鎮まるなら、奴隷はどうでもよかった。』と明言している。彼の目的はあくまでも割れてしまった連邦の統一。奴隷制度には干渉しないと念を押した。しかし、苦戦が続いて、南部連合の承認を牽制するために『奴隷解放宣言』を出した。そうした事情があって、統一戦争は『正義の戦い』にすり替わったようである。アメリカにおける人種問題は、思っているよりも根深いのだ。
マルコムXは、キング牧師と違って暴力的な人間として印象付けられている。『私は自衛のための暴力を、暴力とは呼ばない。知性と呼ぶ。』。彼がなぜこのような言葉を言うようになったか、そしてなぜキリスト教からイスラム教に改宗したのか、そのあまりにも複雑で波乱万丈の人生を、名優デンゼル・ワシントンが十二分に演じきる。
メドガー・エバースの知名度は日本ではそこまで高くないが、アメリカでは上に挙げた同時代の二人と並んで有名だった。演説をして、テレビにも出て人種間の平等を訴え、あれから60年経った今見ても彼は冷静沈着であり、彼の言葉に噓偽りはないということが見て取れる。
スティーブ・ビコは、南アフリカのアパルトヘイト抵抗運動の活動家で、1960年代後半と1970年代の草の根的な反アパルトヘイト・キャンペーンの最前線にいた人物である。前述したように、ネルソン・マンデラという偉大な人物がいない間に黒人たちを支えた重要な指導者だった。
キング牧師はマルコムXと違い、白人との融和的な和解を求めた人物である。ガンジーの非暴力的抵抗の教えに共感し、20万人を超える大規模なものになった1963年8月28日のワシントン大行進は、ガンジーの『塩の行進』に影響を受けている。
実は、南北戦争時代、リンカーンの奴隷解放宣言よりも早くミシシッピ州ジョーンズ郡において偉業を成していた男がいた。白人と黒人が平等に生きる「ジョーンズ自由州」を設立した実在の白人男性ニュートン・ナイトである。
上記インビクタスとは別のネルソン・マンデラの作品。1968年から1990年にかけての南アフリカが舞台となっていて、ネルソン・マンデラが収監されていた様子が描かれる。
あえて違う角度から観ると、確かに『迷惑行為ばかりする』人は嫌われる運命にあります。黒人が、人種的な傾向でそういう存在なのであれば仕方がない一面もある。しかしこれらの映画を通したり、実際の人の声を聞いたりして現実を見ると、別に彼ら彼女らは特に何もしていないのにひどい目に遭っているのです。感染病ですね。
差別を受けながらも、パワフルに生きた黒人たちを紹介。
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彼はマルコムXと非常に仲が良い人間だったから、彼の名を取って『カシアスX』として活動。このアメリカの重要な歴史を考えても、モハメド・アリという人物をピックアップすることは非常に価値のあることである。『ベトコンはオレを差別しないしオレがベトコンを殺しに行く理由は何もない』。そう言って彼は、ベトナム戦争渦中にあって、兵役を拒絶した。
世界ミドル級名誉チャンピオンとなる黒人ボクサーのルービン・カーター。黒人差別に基づく冤罪事件である「ルービン・カーター事件」を題材としている。1974年、カーターは自伝 を出版し、冤罪を訴えた。これは大きな反響を呼び、当時の公民権運動と結び付き、著名人を巻き込んだ市民デモにまで発展した。
HIPHOPの伝説2PACの自伝的映画。ギャングが密接に関与するこの世界の中で、たくましく生きている。彼の声は図太く、地震に満ち溢れていて、威厳が伴っている。彼は若干25歳で世を去ったが、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」において第86位に選ばれるほどの存在感がある。
黒人たちがフィジカルに恵まれていることは事実です。あるマラソンが得意な日本人が検査を受けたら、『アフリカ人並みの身体能力がある』というデータが出て、周囲が納得していました。つまりそれは、『アフリカ人は身体能力が優れている』ということが分かるシーンでした。