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まずは狂気を描きながらも、品質とクオリティを下げずに上位に君臨する至高の狂気映画だ。
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事故や犯罪や火事をフリーランサーのジャーナリストとして撮影する社会病質者を描いている。彼は元々『逸脱した思考』を持っている人間だったが、そのうちこの仕事に楽しさを見出すも、元々が変質者気質があったため、そのアプローチが病的で、狂っている。
ある夫婦において、妻が失踪した。大勢は、彼女を真剣に探し始める。だが、どうもこの失踪した妻の様子がおかしい。だが彼女は、おかしくなったのは私に原因があるのではないと思っている。
この映画ではまず、デニーロ演じるタクシードライバーのこの男が、常識人なのか、非常識人なのかという判断を求められる。映画全体に狂気的な雰囲気があり、その狂気の元凶がこの男にあるのか、それとも違うところにあるのか、それを楽しむエンターテインメントである。デニーロ作品の伝説の名作だ。
第二次ペルシャ戦役中のテルモピュライの戦いに300人のスパルタ兵士と共に参戦し、20万人以上と伝えられるペルシア軍にも互角以上に渡り合った伝説の男たちを描く。だが、想像力の豊かな人は気づくはずだ。このあまりにも無謀な戦いに挑む、異常な精神状態を。ある角度から見ると狂気そのもの。だが、男たちは彼らを狂人というよりは『勇者』と判断するだろう。
誇大妄想狂でコメディアン志望の男がいる。普通に考えればその要素で狂気などないが、この妄想癖のある男が次々ととんでもない行動に出始め、しかも本人はあくまでも『一線を越えていない』と考えている。デニーロ史上この作品がNo.1だと言う人も多い、伝説の名作。
腹話術を使って人気を獲得した手品師。だが彼は徐々に、腹話術として語り掛けるその相棒たる人形に対し、特別な感情を持つようになっていった。いや、そうではない。これは、そういうことではない。この人形は喋る?いや、そんなはずがないのだ。
ある日隣にとある一家が引っ越してきた。だが、どうも挙動不審である。その隣人の過去を探っていく。すると、想像を絶する真相に辿り着いてしまう。映画史上でも衝撃のラストが展開される問題作。
クリストファーノーランは、伝家の宝刀アメコミの代表ヒーローに深遠さを与え、ヒーローものが嫌いだったクリスチャンベールがバットマンを一人の孤高な人間と捉え、演じ、それを見たヒースレジャーが呼応する形であの伝説のヴィランを演じた。このジョーカーを超えるキャラクターが今後現れるかどうか、疑問である。
極道映画ならVシネマにも膨大な量があるが、世界に通用する日本の不良映画と言えばこれだ。ただ狂うだけではチープになる。だから、様々な要素が揃っていることが条件なのだ。
本当に殴っていれば大問題なのだが、本当に殴っているように見えるからこの作品の狂気性が増して価値が出るという、不思議な作品。また、北野武が常々考えている『死は突然やってくる』という考え方が不気味に反映されていて、節々で見て取れる残酷な現実が、見る者を釘付けにする。
この宣伝コピーを、『レイプとウルトラ暴力とベートーベンがオレの生きがい。』というセンセーショナルなものに作り上げたキューブリックに対し、当然批判の声は上がった。この映画に触発され、犯罪に走る若者が増えたのだ。だが彼はこう答えた。『芸術家は作品の芸術性にだけ責任を持てばいい』。
主役のマイルズテラーはジャズドラマーを演じるため、2か月間、一日に3~4時間ジャズドラムの練習を続け、撮影で自ら演奏しており、作中の手からの出血はマイルズ本人のものである。作品の内容も、教官も、展開も、その逸話もすべて含め、ある種の狂気に満ちている。
前述したようにキューブリックは自分の芸術性の追求を妥協しないから、『ロリータ』の時は失望しながらやったという。描けないからだ。だがこの作品では彼の異彩がいかんなく発揮されている。本当はモザイクすらも使いたくないだろう。
この映画は『戦争自体が狂気そのものなのだ』という事実を浮かび上がらせる魔法がかかっている。あまりにも逸脱した戦場の世界を受け入れるだけのキャパは一般人にはないが、こうした日常の狂気だと親近感があって分かりやすくなり、狂気性も際立って見える。だが考えれば分かるように、ここで描かれる狂気はみんな、『戦争』があることが前提なのだ。
この映画のシャロン・ストーンはすごい。彼女の怪演がこの映画の狂気性を数倍引き上げていると言っても過言ではない。衝撃の実話ベースの話であり、この彼女もまたジェリー・マクギーという実在した人物だという。
B級映画になるかどうかのラインとは、品質が保たれているかどうかです。その意味で『マザー!』は赤ん坊の扱いが雑であり、気を悪くする人が出てくる。そのあたりを絶妙に描いてみせるのが鬼才スタンリー・キューブリックや、巨匠マーティン・スコセッシというところでしょうか。デヴィッド・フィンチャーもうまい。しかし、至高の狂気作品はまだまだあるので、下記でもいくつか紹介していきます。
その女、狂暴につき。
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エル・ファニングはまだ20代になったばかりという若さで、様々な役にチャレンジしている。よってB級チックな映画にも出演していて、これもそのラインをギリギリにいくのだが、絶妙にB級に逸れない。至高の狂気にも近い、衝撃の狂気を見せてくれている。
三池崇史もまた作品数が多く、ギリギリの作品も多々ある。だがそれは恐らく彼のチャレンジ精神なのだろうということが、その矢継ぎ早に展開される多様な映画作品を観ると伝わってくる。今回の場合もただのホラーに見え、『四谷怪談』の伝説『お岩さん』を新たな角度から描き、衝撃のラストシーンを見せてくれている。
オカルト系ホラーと言えばそうなのだが、私はそういう風にまとめることはなく、常に人間心理を細かく考える方向に傾く。そう考えた時、彼女が追い込まれたこの状況は、同情に値するものであり、だからこそ狂ってしまった彼女の悲痛の叫びが、心にしみわたる。
しかし往々にしてそのほとんどが『男の裏切り』が原因です。かつて、阿部定事件というものがありました。性交中に愛人の男性を扼殺し、局部を切り取った事件ですが、『私は彼を殺せば他のどんな女性も二度と彼に決して触ることができないと思い、彼を殺した…」というのです。この話の不思議なところは、この事件の後、阿部定に全国の女性から、ファンレターが届いたというのです。『あなたの気持ち、わかります』と。男性諸君。浮気・不倫は命懸けですぞ。
ピエロは本格的には『クラウン』と言い、ピエロはクラウンの一種である。本来はコメディアンのはずだ。だが、『本当の顔を晒すことを許されず、鬱憤を抱えた男』と捉えると、その得体のしれない本性に不気味さが出てしまう。
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しかし、ピエロの恐ろしさをいかんなく発揮させているのはこの作品だろう。天才スティーブンキングが展開する、狂気のピエロは、ホラーの枠を超えて最高のエンターテインメントとなっている。
この『ピエロの仮面を被った連中』もまた、我々をかき乱してくれる。ドイツ映画かつ天才ハッカーという頭脳系の枠組みで展開されるため、予想できない展開が待ち受けている。
ピエロの笑顔が怖いのは、『本当は笑っていないように見える』とか『中身が殺人鬼の可能性もある』とか、色々と妄想を膨らませてしまうからですよね。人間は逃げるとき、『何から逃げているのかがわからない』のが一番怖いといいます。得体の知れない存在は恐怖の対象。何か事件が起きた時も、『そういえばあの人も、いつも何考えてるか分からないわよね。警戒しなきゃ』などという話をする人たちがいます。把握できないものは、怖いんです。
ヤラカシとは、いわゆる芸能人の追っかけの中でも、特にマナーの悪い人物に対して付けられる蔑称。『リベンジポルノ』という考え方が誕生してしまったこの世界を考えても、ファンと狂気は紙一重である。『ファンほど恐ろしいものはないし、勝手なものはないし、また、ありがたいものはないですね。』松田優作
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IT同様に、至高の狂気作品に入れても問題ない名作。どう考えてもおかしいだが、しかしなぜか最後には哀愁が残る。それはこの作品が単純な要素で作られていないことを意味する。
面白いのは、この映画で狂気的な行動に走ったとあるファンの男は、『鑑賞者』の我々からしたら狂気そのものなのだが、『鑑賞できない』この当事者の女性からすると、狂気とはまた違った感覚を得ているということだ。
これも至高の狂気作品に入れてもいいスティーブンキングの伝説の作品だ。大衆向けロマンス小説『ミザリー・シリーズ』の大ファンである女性が、偶然にもこの作者の怪我の面倒を見る事態に。だが・・。
ネットでの交流が当たり前のようになり、このあたりのトラブルにも耐性がついてきたように見える昨今ですが、例えばある動画配信者がそうした『やらかし』について『うれション勢』と表現していて、彼自身のその他の信憑性はとにかく、その表現は意外と近いように見えます。本人は喜んでいるだけのつもりなのですが、周りからすると排せつ物が漏れているので迷惑でしかない。しかしこれらの作品は、また違う顔を見せるファンの姿も見ることができます。
船の上は不安定がゆえ、それだけで恐怖心がある。逃げ場のない大海原で襲われたらたまったものじゃない。
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これはギリギリのところで至高の狂気作品には入らないのだが、しかしギリギリのラインだ。デニーロが演じる狂気の男が、間違いなくこの物語を完全にかき乱していく。
2001年に起きたテチャン号事件を戯曲化したものを、『パラサイト』のポン・ジュノのプロデュースにより映画化。あまりにも衝撃的な事件が、この船で起きてしまった。これも至高の狂気作品に入れてもいい作品だ。
『タイタニック』などもここに入りますよね。あんなに狂気じみた現実はそうそうあり得ません。船の上は不安定であり、それだけで人の恐怖をあおります。私も小笠原諸島に行くとき小笠原丸に乗りましたが、半日走って外を見たら、結構なスピードなのにまだ大海原だったのを観た時、ある種の恐怖を感じましたね。
タクシーもよく考えると恐ろしいものである。たまに運転手の中に不気味な男がいるのも事実で、もしかしたら酩酊しているときに乗ったそのタクシーは、本当はタクシーじゃないかもしれない。
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これもまた至高の狂気作品に入れてもいいくらいの名作だが、また微妙に違うニュアンスを持った至高の作品なので、別レシピでまとめている。タクシー運転手が凶悪な犯罪者を乗せてしまい、犯罪に巻き込まれる。
タクシーは、必ずしもそうではありませんが、運転手が後ろを向いていて顔が見えなかったり、事実として若い女性にセクハラをする人がいたり、また給料が高いわけではないので鬱憤がたまっている人がいたり、逆に個人タクシーまでいくと傲慢だったり、1対1でおしゃべりをしなければならない環境があったりなどして、これらの要素が結構トラブルの原因となったり、不安要素となったりするんですよね。その不安定さを逆に利用すれば、こういうエンタメが作られます。
ナチス・ドイツ自体が狂気そのものだが、『元ナチス』というくくりにすることで限定できる。
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走ることが趣味のある男が、元ナチスが関与する重大事件にいつの間にか事件に巻き込まれていく物語。ナチス残党の歯科医が歯にドリルを突き立ててベーブを拷問するという非常に生々しいシーンで有名になった映画。
隠蔽されてきたナチスの実態をオランダ人ジャーナリストが暴いていく実話ベースの物語である。大富豪のアートコレクター、ピーター・メンテンが第2次世界大戦中にナチスに肩入れし、『とある大犯罪』を犯していた。
ナチスの最重要戦犯アドルフ・アイヒマン逮捕の影の功労者であるドイツ人検事フリッツ・バウアーの執念と苦悩が描かれる。アイヒマンはこの時元ナチスという肩書のためこうなるが、ナチスにおいても『最も狂った男』として注目されていて、ドキュメンタリー映画も含め他にいくつも彼の作品がある。
このアイヒマンがどれだけ狂っているかというのは、『アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発』を観れば分かるようになっています。また、ドキュメンタリー映画である『スペシャリスト 自覚なき殺戮者』のタイトルを考えても分かるように、彼は『自覚がない』んです。しかし彼がやったことは、人間史上に残る極めて残酷で、凄惨な大事件。およそ人間とは思えないのですが、前者を観れば、背筋が凍る『共感』をするかもしれません。奥が深いんです。