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当記事は半分まで無料で閲覧可能です。また、下記『MOVIE RECIPE1:冒険者たち』が全て無料で閲覧できるようになっていますので、参考までに。
前述した基礎情報で考えるとこれが見えてくる。
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イエス・キリストの伝記映画。まず彼が十字架刑に遭い、彼の死後に弟子のパウロが『キリスト教』を作る。そしてその教えは現在20億人を超える人が信じていて、世界一の数字を維持し続けている。
まず最初にイエスがいます。そしてキリスト教が生まれ、カトリックという王道の道が一本できます。しかし、あまりにもそれが権力を持ちすぎ、腐敗。「プロテスタント(抗議者)」と名付けられる形で、ドイツのマルティン・ルターが『真のキリスト教』を主張します。そうして意見が割れていって、揉めたり分散したり、様々な問題が起きます。
その後、新天地を求めてイギリス人やフランス人が筆頭となりアメリカ大陸に渡ります。『ここで新たに自分たちの信じる教えを守りながら生きていこう』ということでした。アメリカが英語、カナダがフランス語が多いのはそれが理由です。ゆえに、まず最初にイエスがいるということがアメリカを語る際に避けて通れない絶対条件なのです。
そしてイギリスから独立し、『アメリカ合衆国』ができる。
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そして、アメリカ独立戦争を経て1776年にアメリカは独立する。アメリカがイギリスから独立して『アメリカ合衆国』になる時代を切り取った映画だから、それだけで見ごたえは十分だ。主役のメルギブソンはその戦争のメインキャラクターではなく、あくまでも個人的な戦いとして戦争に参加するところもいい。そっちの戦争も十分見ごたえがある。
1863年頃。1863年頃。『狼と踊る男の決断』『狼と踊る男』。なんだか不思議でよく分からないニックネームだ。だが、それが非常に重要なキーワードとなる。彼にそんな名前をつけた人間は誰か。そして彼らはアメリカ人にとってどういう存在なのか。
1882年頃。アメリカ西部開拓時代のガンマンであるジェシー・ジェイムズ。1866年2月13日に、アメリカで彼が世界初の銀行強盗に成功したことから、2月13日は「銀行強盗の日」となっている。敬虔なキリスト教徒、甘いマスクの美男子、フロンティアの郷愁を漂わせる名前。極悪非道の重罪人にもかかわらず、その悲劇的最後は人々の同情を集め、強者に立ち向かうロビン・フッドのイメージに重ね合わせる者もおり、伝説化した人物である。
1886年頃。1880年頃。アメリカ人は、先住民のインディアンを殺したり追いやったりして、アメリカ大陸に新天地を築いた。つまり彼らの多くはイギリス人で、真のアメリカ人というのはインディアンなのだ。ジェロニモは、そのインディアンの伝説的存在だった。ラストシーンで我々は考えさせられることになる。彼らの宿命と正義について。
1889年頃。19世紀のアメリカ・オクラホマ州で実際に起こったランドラッシュをベースに、アイルランドから夢をもってアメリカにやって来てランドレースに参加した青年の生き方を描く物語。上記作品同様、まるで『開拓して当然』のように描くが、そこには『ラストサムライ』や『ジェロニモ』等の問題が潜んでいる。
1890年頃。実在の銀行強盗ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの逃避行を題材にした西部劇。サンダンス・キッドなどと共に強盗団「ブッチ・キャシディのワイルドバンチ」を結成して、ネバダやモンタナなどで銀行強盗や列車強盗を繰り返した。
このうち、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』と『遥かなる大地へ』だけがフィクションであり、後はすべて実話ベースとなっています。ただ実際にはそれらの作品も『インディアンの迫害』や、『ランドラッシュ』等の実話を織り交ぜているので、そこが歴史の勉強になります。ようは、どのような形で、意図で、夢を持ってアメリカ大陸にやってきたかは人それぞれで、その中には純粋な探究心や好奇心、向上心等の『悪気のない』気持ちがあったかもしれません。
しかし、それによって追い込まれた人がいる。先住民(インディアン)たちを追い払ってこの大陸に根を張り、東部のワシントンやニューヨークあたりから、西部のロスアンゼルスやカリフォルニア、テキサスあたりまで開拓していって自分たちの世界(国)を作った。この事実を忘れてはならないのです。もちろん、彼らを悪の種族とみなすとかそういうことではありません。日本人には日本人の、ロシア人にはロシア人の、それぞれの国と環境で、同じように善悪と真偽について考えるテーマがあるということですね。
ここで一度、『西部の物語』としてフィクションも観てみよう。
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アメリカ西部で夫と娘とともに穏やかに暮らしていたジェーン。しかしある日、夫が撃たれ、逃げ帰って来たことでその平穏は奪われてしまう。相手は悪名高きビショップ一家。 運命に抗い、戦うことを決意したジェーン。
トゥルー・グリット
コーエン兄弟が監督し、スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を執った。1969年にジョン・ウェインが主演を務めた西部劇映画『勇気ある追跡』をリメイクしたもの。内容は上記と近く、家族を殺された少女の話である。
イーストウッドが、師と仰ぐドン・シーゲルとセルジオ・レオーネに捧げた「最後の西部劇」。第65回アカデミー賞 作品賞受賞作品。『シマロン』、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』に続き、アカデミー作品賞を受賞した3作品目の西部劇である。
荒野の用心棒
上記は公式だが、非公式のリメイクもあった。巨匠セルジオ・レオーネ監督のマカロニ・ウエスタン『荒野の用心棒』(1964年)は、『用心棒』を非公式でリメイクした作品で、黒澤は東宝とともに著作権侵害で告訴し、和解に応じた製作者側から日本などの配給権と世界興行収入の15%を受け取っている。
西部劇となると、その数はもっともっと膨大な量があります。日本で時代劇が膨大にあるのと同じですね。我々の時代劇のイメージは、『着物、ちょんまげ、お代官様』等が強くなりますが、アメリカの場合は見てきたようにまだ250年ほどしか歴史がないので、振り返る時代劇となると、この西部開拓の時代を切り取ったものがほとんどとなります。
『開拓』というくらいですからまずそこには『荒野』だけが広がっているわけです。そこに、鉄道を通したり、街を作ったりなんかして徐々に開拓していくわけです。しかしそうなると治安の問題も出てきます。前述した『ジェシージェームズ』や『ビリーザキッド』等はその時代に活躍した強盗ですが、同じように『ワイアットアープ』等の治安を守る保安官の立場も強くなっていきます。
警察システムが完全に稼働していなければ秩序も乱れがちになり、混沌となります。そのような悪がまかり通りやすい時代に一括を入れる正義のカウボーイ等として、この時代の時代劇は人気があります。例えばシャーリーズ・セロンは、『深夜によく西部劇がやってるけど、私は好きでよく観てる』と言っています。
アメリカが、北:『アメリカ合衆国』、南:『アメリカ連合国』として分散する危機があった。その時の戦争が『南北戦争』である。
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ドイツ人賞金稼ぎに助けられた黒人奴隷が生き別れた妻を取り戻す西部劇で今回唯一のフィクションだが、アメリカ・世界共に、タランティーノ作品で最高収益を上げた『イングロリアス・バスターズ』を超えて大ヒットしたのでランクイン。
南北戦争下のジョージア州アトランタ市を背景に、アイルランド系移民の父と、アメリカ南部のフランス系名家出身の母を持つ気性の激しい南部の女、スカーレット・オハラの半生を、彼女を取り巻く人々ともども、壮大に描いた作品である。
アメリカ連合国の兵士として戦争に送り出された男と、ひと時だけ過ごした女性との恋物語。友人を失い、自分も負傷した男は、故郷であるコールドマウンテンと、出発前の僅かな時間しか共に過ごすことが出来なかった最愛の女性エイダに再び会うため脱走し、徒歩でコールドマウンテンに向かう旅に出た。
1809年頃。エイブラハム・リンカーンが誕生。その後1861年に、リンカーンはアメリカ合衆国大統領に就任する。そして彼は『奴隷解放宣言』をし、人種差別と徹底的に戦う。だが、その戦いはあまりにも代償が大きかった。しかし、大きな代償を払いながらも、彼は最後まで戦い続けたのだ。人類の平和のために。
1863年のニューヨーク・マンハッタンの一角であるファイブ・ポインツを舞台に繰り広げられるギャングの抗争と人間ドラマを描いたもの。この時代のニューヨークでは、大飢饉に見舞われた故郷を離れ、アメリカン・ドリームを夢見たアイルランド人の移民達が毎日のように港から降り立っていた。
The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ
1864年、南北戦争3年目を迎えた、南部諸州側のバージニア州が舞台。トーマス・カリナンが1966年に発表した小説『The Beguiled』を原作としている。1971年に、監督ドン・シーゲル、主演クリント・イーストウッドで映画化されているが、それが脱走兵の視点から物語を描写していたのに対し、本作は女性たちの視点から物語を描写している。
南軍の名将として名高いロバート・E・リーとストーンウォール・ジャクソン、北軍の英雄ジョシュア・チェンバレンを中心に、南北戦争初期の推移を描く。南北戦争が南軍側にとっては郷土防衛のための戦いであった背景を重視し、両陣営を公平な視点から描いている。
南北戦争時代、エイブラハム・リンカーンの奴隷解放宣言よりも早くミシシッピ州ジョーンズ郡に白人と黒人が平等に生きる「ジョーンズ自由州」を設立した実在の白人男性ニュートン・ナイトの生涯と闘いを描く。
ドナルド、キーファーのサザーランド親子が、西部時代の渋いガンマンを描く。ドナルドサザーランドが三船敏郎の大ファンなので、どこかこれらの映画に『武士道』のような日本人好みの雰囲気が漂う。
1976年製作の西部劇で、アメリカ建国200年記念として製作された。南北戦争後の時代を舞台として描かれた作品。復讐の映画にも見えるし、それだけじゃないようにも見える、哀愁ある、戦争の、哀しい映画だ。
舞台は南北戦争の時代の荒野。の映画は『荒野の用心棒』(1964年)と『夕陽のガンマン』(1965年)から続く「ドル箱三部作」の第3作目であるとされている。物語は、南軍の金貨を求めて南北戦争のアメリカを冒険する3人のガンマンを中心に展開する。
セルジオ・レオーネが黒澤明の『用心棒』に感銘を受けて作った『荒野の用心棒』とは関係ないこの作品の原題は、『Django』である。前述した『ジャンゴ』はこれのオマージュでもある。
前述した『夕陽のガンマン』(1965年)がこれ。賞金稼ぎのダグラス・モーティマー大佐は、1,000ドルの賞金首を仕留めるが、保安官事務所で10,000ドルの賞金が賭けられたインディオ一味が近くにいることを小耳にはさむ。
西部の悪名高い無法者と、彼を刑務所行きの汽車まで護送しようとする牧場主の物語。西部劇としては近年稀に見るヒット作となった。強盗団の頭目として西部に悪名を轟かせる無法者をラッセル・クロウ、彼をユマの刑務所行きの汽車まで護送する牧場主をクリスチャン・ベールがそれぞれ演じている。
アメリカの北部と南部では経済体制から支持する政党まで違いがありました。南部では作物がよく育ったので、それを中心とした仕事が多くあり、人手が足りず、奴隷が欲しかったのです。しかし北部は違うので、南北で違う考え方になりました。結果、北部では奴隷解放の考えが強く、南部では奴隷を維持する考えが強く、考え方が対立して衝突しました。
『南北戦争』は最初は南部が優勢でしたが、リンカーンの『奴隷解放宣言』で流れが変わり、最後には北部が決定的な勝利を収めました。この時にもし南部の『アメリカ連合国』が勝利していれば、アメリカは2つに分かれていたかもしれません。ちなみにその時の影響で、『南部ほど黒人差別が強い』という風潮があります。最も有名なのが『ミシシッピー・バーニング』等でも有名なミシシッピー。あの場所はまさに、南部の代表です。
そして第一次世界大戦(1914-1918)等の時代を迎えるが、それは後でまとめる。その前にこの時代を見てみよう。
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1947年頃。アフリカ系アメリカ人初のメジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソンを描いた伝記映画。タイトルの「42」とはロビンソンが付けていた背番号で、現在アメリカ・カナダの全ての野球チーム(メジャーはもとより、マイナーリーグ、独立リーグ、アマチュア野球に至るまで)で永久欠番となっている。
1947年頃。NASAのマーキュリー計画(宇宙に人間を送り出す国家プロジェクト)を背景に、戦闘機パイロットが「ライトスタッフ(己にしかない正しい資質)」に従い孤独な挑戦を続ける姿が描かれる。音速の壁に挑戦し続けた実在の人物、チャック・イェーガーをサム・シェパードが演じた。
1950年頃。朝鮮戦争下の陸軍移動外科病院 (Mobile Army Surgical Hospital) が描かれる。単純に、戦地の味方陣営に兵士たちと同じように軍医たちがいるという状況だ。この視点から描くことで、作品を通して反戦を訴えている。
1950年頃。事故で記憶を失った青年が、とある町に迷い込む。そこで彼は何者かと間違われて生きることになり、映画館の再興を軸にして物語が展開される。時代的にちょうど『赤狩り』というキーワードが出てくる。共産主義狩り、と言う意味である。
1950年頃。アメリカ海軍史上、アフリカ系黒人として初めて「マスターダイバー」の称号を得た潜水士である、実在の人物「カール・ブラシア」の半生を周囲の人物との友情とともに描く。
1950年頃。1985年が舞台だが、過去に戻って1950年代のアメリカの様子が描かれる。1980年代の最高傑作の一つ、SF映画の最高傑作の一つ、そして史上最高の映画の一つとされている。
1950年頃。1950年代に実在したNBCの人気テレビ番組『21(トウェンティワン)』をめぐるスキャンダルを、伝説の俳優ロバート・レッドフォードが監督して映画化した。当時の人気を考えると、ここで不正は行われてはいけなかった。それだけ影響力がある番組だったのだ。ハーバードを首席で出るような捜査官の男と、クイズショウの実力者が頭脳戦を展開するあたりが、見ものだ。
1950年頃。一介のセールスマンだったクロックが、マクドナルド兄弟が営んでいたマクドナルドを世界最大のファーストフードチェーンに成長させ、兄弟の持つ経営権を手中に収めるまでを描いている。
この時代のポイントは『FBI』『赤狩り(共産主義)』『ソフトパワー』というところでしょうか。順に説明すると、まずアメリカの雰囲気として、『共産主義→銀行強盗→FBI』という流れで人々の人気の熱が動いていたといいます。その前に西部開拓のジェシージェームズ等の銀行強盗がありますが、それから50年ほど経ってこのような動きに。やはりこれらの根幹には『自由』が垣間見えますね。
『もっと平等であるべきだ!』『もっと自由であるべきだ!』
というアメリカ本来の、『それを目的としてアメリカ人はこの大陸で生きているんだ』という意思・主張が見え隠れします。よって、少しでも平等性に欠けると『共産主義(誰かがいくら稼いでも全員が平等になる仕組み)』という発想が人気になったり、衝突が起き始めます。ウォルト・ディズニーの会社でも共産主義によるボイコット運動があり、ディズニーはそれ以来共産主義を毛嫌いするようになりました。
また『ソフトパワー』とは、軍事力や経済力などの対外的な強制力の『ハードパワー』の対義語で、コカ・コーラ等の企業力が代表です。コカ・コーラやマクドナルドといった『軍事力以外の力』を駆使してアメリカの国力をつける方向を見出しました。アメリカニゼーションは『アメリカ化』とも言い、特に日本はその影響を強く受けたと言えます。
といった人々も大活躍し、20世紀はアメリカの持つこうした『ソフトパワー』の力も爆発した時代であり、今ではすっかり『エンターテインメント=アメリカ』という考え方が定着しています。
この時代の中に、『禁酒法・大恐慌時代(1929-1939)』というものもあった。
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禁酒法時代のアメリカ・シカゴを舞台に、正義のためにギャングのボスであるアル・カポネを逮捕しようとするアメリカ合衆国財務省捜査官たちのチーム「アンタッチャブル」の戦いの日々を描いた実録映画。テーマも内容も音楽も、すべて卓越している。
実在の犯罪者ジョン・デリンジャーを主人公とした実話映画。彼も同じように、弱者からは奪わないという姿勢で、犯罪者でありながら大スターのようにもてはやされていた。
大恐慌時代に活躍した、映画のタイトルとなったあだ名の実在のプロボクサー、ジェームス・J・ブラドックの大番狂わせの試合を描いた伝記映画。だがそれで言うと『俺たちに明日はない』を筆頭としたこの時代の強盗たちは、皆似たような環境を強いられていた。
アメリカの山奥、元騎兵隊の父と牧場で暮らす3人の息子達。彼等の穏やかな生活は第一次世界大戦の勃発を契機に大きく変わっていく。この作品にもインディアンが関係してくる。
アメリカ禁酒法時代にバージニア州フランクリン郡で密造酒を売るボンデュラント兄弟が描かれる。作家のマット・ボンデュラントが、禁酒法時代に密造をしていた祖父と大叔父たちの話を基にした歴史小説『欲望のバージニア』を執筆し、それを原作としている。
1935年の大恐慌時代のテキサス州の小さな町での物語である。アメリカ南部に暮らす専業主婦の女性が予期せぬ夫の死に遭遇し、周囲の人々の協力を受けながら勇気を持って自立してゆく姿を描く。
1936年のシカゴを舞台に詐欺で日銭を稼ぐ1人の若者が、親同然の師匠を殺害したギャングに復讐するために伝説的な賭博師と協力し、得意のイカサマで相手組織を徐々に追い詰めていく様を描いたコメディ映画。信用詐欺を扱った代表的な映画である。
アルコールは神からの贈り物である一方で、その乱用は悪魔の仕業によるものというイメージを皆が抱いていました。よって、南北戦争等で一度保留となりましたが、このあたりの時期、1920年から1933年までアメリカ合衆国憲法修正第18条下において施行され、消費のためのアルコールの製造、販売、輸送が全面的に禁止されます。
この禁酒法は「高貴な実験」とも言われ、様々な立場から広い支持を受けた一方で、論争の的になる事も多くありました革新派と、一般に女性、南部人、農村地帯の人々の暮らしとアフリカ系アメリカ人、クー・クラックス・クラン(KKK)までもそれが社会を改善すると信じて支持した。しかし結局は裏でアル・カポネのようなギャングが密造酒として酒を売って荒稼ぎしたり、様々な問題によってその『実験』は終了しました。
[禁酒運動を支持しているナサニエル・カリアーによるリトグラフ(1846年1月):出典:Wikipedia]
そして1929年10月24日(木曜日)の世界恐慌はなぜ起きたか。それは、調子が良かったアメリカが調子に乗ってしまい、足元がおろそかになったからです。
アメリカのフーヴァー大統領は自由放任による『資本主義の永遠の繁栄』を主張。それぐらいアメリカ中が浮かれていたのです。商品を作れば作るほどそれが売れると思っていたし、株を買えば必ずそれが上がると思っていた。まさにアメリカはバブル真っ盛りだったのです。しかしそれは起こりました。物を作るだけ作り、それが売れ残り、銀行や株主に借金が残る企業が続出し、企業と融資を行った銀行が連続倒産をする。そういう一蓮托生ドミノ倒しのような悲劇が巻き起こってしまったのです。
その後、フランクリン・ルーズベルトが当選し、『ニューディール政策』を進めますが、これに対する効果は未だに議論があるようです。しかしとにかくこうしてアメリカで世界恐慌が起き、これが後の『第二次世界大戦』の原因の理由の一つとなってしまいます。
そして1960年代になる。この時代にはベトナム戦争(1955-1975)があるが、それは後でまとめる。それ以外でもこの時代のアメリカは激動だった。『公民権運動』『宇宙開発競争』『ケネディ、マルコムX、キング牧師、メドガーエヴァース暗殺』等がそれである。
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1968年に第37代アメリカ大統領に就任したリチャード・ニクソンの半生を描いている。ケネディの後に2年だけリンドン・ベインズ・ジョンソン大統領がいるが、同じ『60年代の大統領』という共通点からつながりが多く見られる。
1960年代。キング牧師はマルコムXと違い、白人との融和的な和解を求めた人物である。ガンジーの非暴力的抵抗の教えに共感し、20万人を超える大規模なものになった1963年8月28日のワシントン大行進は、ガンジーの『塩の行進』に影響を受けている。
1960年代。マルコムXは、キング牧師と違って暴力的な人間として印象付けられている。『私は自衛のための暴力を、暴力とは呼ばない。知性と呼ぶ。』。彼がなぜこのような言葉を言うようになったか、そしてなぜキリスト教からイスラム教に改宗したのか、そのあまりにも複雑で波乱万丈の人生を、名優デンゼル・ワシントンが十二分に演じきる。
1960年代。黒人として生まれたハリケーンは、アメリカの根幹にあるその根深い黒人差別に苦しめられる。1966年6月17日、ニュージャージー州で3人の白人を銃で撃ち殺したとして逮捕された。これが『ルービン・カーター事件』である。だが、凶器もない。証言者も妙だ。しかし陪審員は全員が白人であり、時代の波も手伝ってカーターは有罪とされ、終身刑に服する事となった。
1960年代。彼はマルコムXと非常に仲が良い人間だったから、彼の名を取って『カシアスX』として活動。このアメリカの重要な歴史を考えても、モハメド・アリという人物をピックアップすることは非常に価値のあることである。『ベトコンはオレを差別しないしオレがベトコンを殺しに行く理由は何もない』。そう言って彼は、ベトナム戦争渦中にあって、兵役を拒絶した。
1960年代。「アメリカ情報活動の父」と呼ばれたウィリアム・ドノバンをデニーロが演じる。この人物は『後のCIA』となる『OSS(戦略情報局:Office of Strategic Services)』が続投して解散まで一貫して務め、その後に曲折を経て現在の中央情報局(CIA)の前身となった。
1962年。キューバ危機を題材にしたサスペンス映画である。同じケネディ大統領を扱った映画『JFK』でも主演を務めたケビン・コスナーを大統領特別補佐官役として迎えた。
1963年。その『JFK』がこれである。ケネディ大統領暗殺事件の捜査に執念を燃やす地方検事ジム・ギャリソンを中心に描いた現代史ミステリー。大統領暗殺をめぐる唯一の訴訟であるクレイ・ショー裁判にいたる捜査を題材として描いている。
1960年代。キケネディ大統領の妻であるジャクリーン・”ジャッキー”・ケネディ・オナシスが、ファーストレディを務めていた頃と1963年のテキサス州ダラスで夫のジョン・F・ケネディが暗殺された以降のジャクリーンが描かれる。
1964年。1964年に米ミシシッピ州フィラデルフィアで公民権運動家3人が殺害された事件をモデルにした社会派映画。KKKの衝撃的な凶行が印象的。
1967年。1967年のデトロイト暴動の最中に発生したアルジェ・モーテル事件を題材にした作品。本作が全米公開された2017年はデトロイト暴動の発生から50年を迎える節目の年でもあった。
1969年。『ワンハリ』にも出てくるが、1969年に女優シャロン・テート殺害などの無差別連続殺人事件を起こしたカルト集団チャールズ・マンソン・ファミリーの主要女性メンバー、レスリー・ヴァン・ホーテンら3人を中心に、彼女たちのファミリーへの加入から、洗脳と狂信の果ての殺人、逮捕・収監までを描く。
1969年。前述したように、1969年にハリウッド女優シャロン・テートがカルト集団チャールズ・マンソン・ファミリーに殺害された事件を背景として、当時のハリウッドにスポットライトが当たる。
1969年。史上初めて月面を歩いた宇宙飛行士ニール・アームストロングの1961年から1969年にかけてのNASAのミッション(ジェミニ計画、アポロ計画)が実話に基づいて描かれる。
『公民権運動』とは、主に1950年代から1960年代にかけて、アメリカ合衆国の黒人(アフリカ系アメリカ人)が、公民権(参政権等)の適用と人種差別の解消を求めて行った大衆的な社会運動です。『俺たちにも政治家に投票して国づくりに意見する権利があるだろ!』ということですね。差別される対象はそういう重要なことには参加できない傾向があります。
例えば、『未来を花束にして』では1910年代のイギリスで婦人参政権を求めて闘った女性たちの姿が描かれます。原題のSuffragette(サフラジェット)とは、20世紀初頭のイギリスの参政権拡張論者、特に婦人参政権論者を指す言葉。つまり、『女性、黒人』は差別の対象にあったということですね。
それは決してこの2つだけに限った話ではありません。私が以前いた会社でも、『役員会議』として役員だけが豪華な応接セットがある役員室に入ってあれこれと会議をし、ヴィトンなどの高級ブランドのバッグ等を持って意気揚々とその部屋から出て行ったり出張したりして、まるで『この会社はこの役員だけが要である』と言わんばかりの態度でした。私などは自分の上に人がいることを認めないタイプですから、このやり方に不満を持っていましたね。
彼らだけじゃありません。私がいた地元のグループでもそういうことはありました。一部の力を持った人間や、名の知れた先輩たちとが集まった時、彼らだけがVIPの席にいて、そうじゃない人は蚊帳の外に追い出されます。私は結局こういうタイプですから常に不満を持って、ついには自分で起業してそのような人たちとは縁を切ることになりましたが、結果的にそのグループも会社も、今は存在していません。
私が言いたいのは、ごく近いところでもこういうことは頻繁に行われていて、自分たちの人生の安心のためには、特権の乱用に走って越権行為に甘んじる弱さを、人は常に抱えているということですね。
この時代はベトナム戦争が終結に向かい、別レシピでまとめた『アメリカン・ニューシネマ』も終焉を迎える時。『タワーリング・インフェルノ』(1974年)『ジョーズ』(1975年)『ロッキー』(1976年)『スター・ウォーズ』(1977年)といった映画が新しい映画の時代を切り開いた。
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ユージン・アレンという実在した人物がモデルとなっていて、1950年代のアイゼンハワー大統領から、2009年のオバマ大統領までに至るまでのアメリカの歴史が見える映画となっている。執事の立場からアメリカを覗き見るような映画だ。
1970年代。アメリカ・コロラド州コロラドスプリングスで、アフリカ系アメリカ人(黒人)初の市警察巡査となったロンが、白人至上主義団体クー・クラックス・クランの地方支部への潜入捜査に着手し、活動内容や極秘計画を暴くまでを描く。
1970年代。アポロ13号への搭乗が予定されているジム・ラヴェル船長(トム・ハンクス)とフレッド・ヘイズ月着陸船パイロット(ビル・パクストン)、ケン・マッティングリー司令船パイロット(ゲイリー・シニーズ)の3名の宇宙飛行士は、史上3度目の月面着陸を目指す。専門家からも評価が高い映画である。
1971年。ベトナム戦争を分析・記録したアメリカ国防総省の最高機密文書=通称「ペンタゴン・ペーパーズ」の内容を暴露したワシントン・ポストの2人のジャーナリストの実話を映画化した社会派ドラマ。
1972年。ウォーターゲート事件の情報提供者「ディープ・スロート」こと、当時の連邦捜査局(FBI)副長官マーク・フェルトを描いた作品。彼の情報が本当なのかどうか、また彼がどのような人物なのかということについて迫る。
1977年。ポルノ雑誌「ハスラー」誌の出版者・編集者のラリー・フリントの台頭と法廷闘争を描く。彼が言う『戦争とポルノとどっちが健全か?』という問いかけは、詭弁にも見え、しかし一辺倒に切り捨てられない妙な重みがあった。
1979年。1979年から1980年にかけて発生した在イランアメリカ大使館人質事件を題材とした映画。大使館が占拠される直前に6人のアメリカ人大使館員が大使館から脱出し、近くにあるカナダ大使公邸に匿われる。後は国を出るだけだが、それが容易ではない。そこで、CIA秘密工作本部作戦支援部の男が、6人をイランから救出するため、『アルゴ』という架空のSF映画をでっち上げて、6人をそのロケハンのスタッフに身分偽変させ秘密裏にテヘランから脱出させるという作戦をたてる。
1980年代。実際の元株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの波乱万丈の伝記映画。マフィアでも何でもないがかなりアウトローな作品で、パーティやドラッグに抵抗がある日本人には万人受けしないだろう。だが、世界規模で考えたらこれは至極のエンターテインメントである。ディカプリオの怪演がすごい。
1988年。1988年に行なわれた世界初のセクシャルハラスメント訴訟を記したクララ・ビンガムとローラ・リーディの書籍『Class Action: The Story of Lois Jensen and the Landmark Case That Changed Sexual Harassment Law』をもとにした作品である。
1993年。アメリカ西海岸を拠点とする大手企業PG&Eに対し、環境汚染に対して責任を追及するエリン・ブロコビッチの半生を描く。彼女はこれで『ある世界記録』を出した。
『ウォーターゲート事件』とは、1972年6月17日にワシントンD.C.の民主党本部で起きた中央情報局(CIA)工作員による盗聴侵入事件に始まった、1974年8月9日にリチャード・ニクソン大統領が辞任するまでの盗聴、侵入、裁判、もみ消し、司法妨害、証拠隠滅、事件報道、上院特別調査委員会、録音テープ、特別検察官解任、大統領弾劾発議、大統領辞任のすべての経過を総称して言う言葉です。前述した『特権の乱用と越権行為』の典型例ですね。
この時代は、そうした国家のトップの汚職や、1975年に終了したベトナム戦争をある意味一時清算し、それに逆らう形で生まれたアメリカン・ニューシネマという流行も終焉を迎え、新たな時代へと向かい始めるときです。『リアリティ・バイツ』という映画がありますが、これは1990年代のジェネレーションX・MTV世代を描いた映画で、原題の “Reality Bites” からも分かる通り、厳しい現実(現実が噛み付いてくる=現実に直面する=厳しい現実)に立ち向かう4人の若者を描いた青春群像劇となっています。
90年代までに色々なことがあった。さて、ここからどうやって生きていこうか、という『X世代』というアメリカのある世代の人生を描いています。
ここでここまでにあった戦争映画を見てみよう。
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『フライ・ボーイズ』
外人部隊としてフランス空軍に志願入隊し、ドイツ軍と戦ったアメリカ人。彼らの所属した実在の中隊「ラファイエット戦闘機隊」の実話に基づき描かれる。『戦闘機乗り』の物語で、『紅の豚』のイメージに近いあの時代(第一次世界大戦)の戦闘である。
第一次世界大戦は、ドイツ皇帝の暴走で戦争の種が蒔かれ、『サライェヴォ事件』で沸点を迎えた形です。ドイツのヴィルヘルム2世がロシア、イギリス、フランスに喧嘩を売り、領土を奪ったりして暴走します。そこで彼らは『三国協商』を作り、敵対エネルギーが生まれました。そしてサライェヴォ事件でついに堪忍袋の緒が切れて、オーストリアがセルビアに宣戦布告。セルビアの後ろ盾であるロシア側と、オーストリアの後ろ盾であるドイツ側が総動員となり、『連合軍VS連合軍』の戦争へと発展してしまい、『第一次世界大戦』へと発展しました。
ドイツ優勢かと思いきや、イタリアの裏切り、アメリカへの攻撃で圧倒的に不利になります。ドイツは、イギリス・フランスに向かう中立国アメリカの輸送船も沈めてしまい、アメリカさえも敵に回してしまうことになり、ついにドイツ率いる『三国同盟』は敗北。『三国協商(ロシア、イギリス、フランス)』が勝ちました。よって、アメリカが参加した第一次世界大戦の映画はそこまで多くありません。