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ポスター画像出典:『ヤフー映画』
クリント・イーストウッド映画というだけで、期待できる人がいるかもしれない。この映画は、1920年代のロサンゼルスで実際に発生したゴードン・ノースコット事件の被害者家族の実話を元に映画化されている。
題名は「取り替え子」という、自分の子供が醜い子供に取り替えられるというヨーロッパの伝承に基づいている。だが、実際には『醜い子供』というわけではない。普通の子供だ。ただし、親というものは常にか保護に陥りやすく、(私が育てなければいけない)という愛や責任感が『逸れる』時、そこに排他的な家族優先主義の発想が生まれる。
すると、自然と自分の子供だけが可愛くうつり、それ以外の子供は目に入らない現象が起きる。そうなるとそこにいるのは『醜い子供』ということになるかもしれない。いや、そんなことはどうでもい。今回最も『醜い』のは他にいる。あまりにも醜すぎて、『この映画で全容が明かされない』ぐらいだ。
こう書くと人は好奇心が煽られ、興味本位で事件の真相を覗きに行くだろう。だが、軽はずみな覚悟ならやめたほうがいい。それを知った後、自分の心が歪み、世界へ向ける目が濁ってしまう可能性があるなら、調べない方がいい。それだけの事件が、この時起きたのだ。『面白い』とか『見応えがある』と言ってはいけないレベルの話。だが、実話であり、私はこの映画を観たことを忘れることはない。