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『タリーと私の秘密の時間』 レビュー(感想)と考察

『タリーと私の秘密の時間』

ポスター画像出典:『Amazon

 

 

90分程度の映画だが、シャーリーズ・セロンがまた体当たり演技をしているということで、最初から見る価値がありそうな気はしていた。彼女は22㎏も体重を増やし、24時間常に食べ続け、減らす時は1年半も時間がかかったという。

 

彼女のような美形の女優は、『美を失ったら終わり』というある種の強迫観念を抱えて俳優をしている。よって、積極的にこのように自分を『壊す』ことができればかなり俳優として戦力になる。彼女がいまだ第一線で活躍できる理由は、彼女の美貌だけが理由ではないのだ。

 

この映画のライトマン監督は

 

  • 『JUNO/ジュノ』(2007年)
  • 『ヤング≒アダルト』(2011年)
  • 『タリーと私の秘密の時間』(2018年)

 

と監督を務める。関連性があるという。

 

「それぞれの映画の主人公は、人生においての時間軸を把握できていないんだ。『JUNO/ジュノ』では早く大人になりすぎた少女を描いていて、『ヤング≒アダルト』は大人になるのが遅すぎた女性を描き、今作では親になったことで強制的に成長しなければならない女性を描いているんだよ」

 

『JUNO/ジュノ』 早く大人になりすぎた少女
『ヤング≒アダルト』 大人になるのが遅すぎた女性
『タリーと私の秘密の時間』 親になったことで強制的に成長しなければならない女性

 

この監督は今後要注目かもしれない。彼の映画、

 

  • 『マイレージ、マイライフ』
  • 『とらわれて夏』
  • 『セッション』(共同)

 

も観たが、確かにセッション以外はどこか似た哀愁があり、私の好みの描き方が多い。私は今調べて知ったのだが、JUNOらのその映画も私とはまるで違う『女性』の人生なのに、面白かったのだ。

 

まさか同じ監督だとは知らなかった。彼には実力があると言っていいだろう。面白いと感じた映画がすべて、彼の映画だったのだから。

 

今回の映画だが、私が好きな展開である。『まさか』となるだろう。こういう風に、これらすべての映画に共通する『哀愁』的なものがある一方で、作品一つ一つがしっかり独立していて、模倣的ではなく、オリジナリティが高いので、すべての映画が観る価値がある。

 

 

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