監督はジョディ・フォスター。後年のインタビューで、フォスターは本作を自身のキャリアベストだと語っているようだが、実際のところは、彼女はこの作品では影の役に徹している。映る時間も、活躍具合もほとんどが主演のメルギブソンだ。これなら、『羊たちの沈黙』や『ブレイブ ワン』、『告発の行方』など、彼女の迫真の演技が観られる映画の方が目立つように見える。
にもかかわらずこれがベストだというのなら、裏事情なのだろう。例えば、その他の作品は『自分の意思が反映されていない』など。私などもまさにそういう性格なので組織に属さず自分で起業したが、たとえ安定性は欠けてもやはり生き甲斐を感じるのは圧倒的に今である。
この映画自体が大赤字なのにそう言うのだから、本人の満足度が関係しているのだろう。
また個人的に、1ニュースが話題を取り上げて
『1億ドルの広告がタダでできたわ!』
と喜ぶシーンがあり、教訓性があった映画だ。
また、以上の理由を知る前であっても、私はこの映画を観て普通に面白いと感じて、『観るべき映画』としてジャンル分けしていた。人生には色々あるが、最後に勝つのは『愛』であるという黄金律を見ることができる。