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『スウィート・ノベンバー』 レビュー(感想)と考察

『スウィート・ノベンバー』

ポスター画像出典:『ヤフー映画

 

 

(いい映画じゃないか)

 

そう頭をよぎったのが本当だから、実は多少の違和感を感じながらもこの映画を『名作』としてジャンル分けしていた。だが、今調べてみると私が感じていたそのわずかな違和感の詳細が、明らかになった。実はこれは、1968年のアメリカ映画『今宵かぎりの恋』をリメイクした作品である。やはり、リメイクしたくらいだから元々のシナリオ自体が卓越していたのだ。

 

だが、今回の映画ではその年のゴールデンラズベリー賞の、「最低リメイク及び続編賞」「最低男優賞(キアヌ・リーブス)」「最低女優賞(シャーリーズ・セロン)」にノミネートされた。

 

「感傷的な駄作で作為的な『スウィート・ノベンバー』の欠点は、非現実的なプロットと主演2人の相性の悪さである。」

 

そう酷評されていたのである。

 

確かに、この二人の共演の違和感はあった。だが、それは『いろいろやってみる時期』でただ共演しただけであって、特にそこに問題はないと考えていたが、確かに今振り返って考えてみると、サンドラ・ブロックとならまだしも、この二人がラブロマンスを演じる映画は他にはない。専門家から見て、『今宵かぎりの恋』とどうしても比べてしまった時に感じる妙な違和感が、私にもわずかに伝わっていたのだろう。

 

だが、だとしたらケイトウィンスレットとジムキャリーの『エターナル・サンシャイン』にだって感じるし、探せばいくつもそういう映画はありそうである。ということで、そういうことをなしに考えたら、この映画は原作を知らない場合に限るかもしれないが、素晴らしい作品だった。その通り、シナリオがとても良いのだ。