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『サバイビング・ピカソ』 レビュー(感想)と考察

『サバイビング・ピカソ』

ポスター画像出典:『ヤフー映画

 

パブロ・ピカソの生涯を彼とその妻、愛人たちとの遍歴、特にピカソと彼の最も愛した女性フランソワーズ・ジローを中心に描いた作品で、ピカソの生涯をアンソニーホプキンスという名優を通して観れるのは贅沢以外になにものでもない。

 

アリアーナ・S・ハフィントンの「ピカソ 偽りの伝説」(高橋早苗訳、草思社、1991、原題は「ピカソ 創造者にして破壊者」)を下敷きにしているというが、ピカソ自身がこう言っている。

 

 

またこうも言っている。

 

それであれば、その『芸術』という『非常識』な概念をイメージしながら、彼の生涯を観たいわけだ。ルソーマルクスが言うように人は元々平等だったし、お金や結婚、仕事といったあらゆる社会制度や仕組みの中でどんどん『不自由』になっていった。その『非常識な常識』という枠組みにとらわれず、もう一つの世界線に目を向けるのが芸術であれば、いささか彼の人生は『偽り』とは言えないだろう。

 

ホプキンスがお茶目なピカソを描いていて、個人的にはホプキンス史上最も可愛い姿を観ることができた。