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『ザ・ファン』 レビュー(感想)と考察

『ザ・ファン』

ポスター画像出典:『ヤフー映画

 

 

狂気でしかない。デニーロが『ケープ・フィアー』で魅せたじわじわあふれ出す狂気と、『カジノ』で魅せた理路整然的に、虎視眈々と自分の立てた計画を進めていく冷静な狂気。そして『タクシードライバー』で魅せた観客を混乱させる信じられた正義。それらで積み上げた圧倒的な実力が、このストーカーだかフーリガンだか、とにかく何らかの一線を越えた『熱狂的なファン』のおやじの奥行きを深くしている。

 

そしてそれはただ、デニーロという役者だから感じるある種の錯覚ではない。本当にこのキャラクターが、『ただのファンではない』のだ。そして同時に『ただの狂人』でもない。本当に彼自体に、奥行きがあるのだ。その奥行きが、この映画を単なる野球映画やホラー映画の類に留めない。この男は一体どういう男だったのか。我々は最後、自問することになるだろう。