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『約束の地』 レビュー(感想)と考察

『約束の地』

ポスター画像出典:『Amazon

 

 
 
ヴィゴ・モーテンセンのマニアック映画シリーズだ。「これまでに関わった仕事の中で、最も満足のいく経験のひとつになった」と言っているようだが、そうして上げられたハードルを越えることはないだろう。彼がそう言うのは、少年時代を過アルゼンチンで過ごして、ここを“第二の故郷”と言う感覚を持っているからだろう。また、『聖書』の内容も関係しているかもしれない。このような一見してよくわからない映画の場合は、大体そういう風に専門知識がなければわからないからくりになっている。

 

事実、wikipediaでヴィゴモーテンセンの映画を調べると、『約束の地』の部分がリンクになっているのだが、映画のページではなく聖書のページに飛ぶ。私はこういうリンクの仕方を見たのは初めてだ。

神がイスラエルの民に与えると約束した土地。この約束は、アブラハムに最初に与えられ、次いでその息子イサクに、さらにイサクの息子でアブラハムの孫であるヤコブにも与えられた。約束の地は、「エジプトの川」からユーフラテス川までの領域とされ、出エジプトの後、約束をされた者の子孫に与えられるとされた。

私の両親がクリスチャンで、父親はクリスチャンのまま死に、母親は生きているがクリスチャンのままで、恐らく同じように生きて死ぬ中で、私は無宗教である。それがどれだけ大変な人生だったか。

 

『この家はクリスチャンの家だから、従えないなら出ていってもらうしかない』

 

ということを平気で言うような親だった。そのような排他的で利己的な親に、クリスチャンを語る資格はないわけだ。私はこの親が間違っていることをある種証明するかのように宗教やその他の歴史等についてたくさん学び、今ではもう母親程度を論破することなど赤子の手をひねるほど簡単になっている。

 

さて、そういう私がこの映画と向き合うわけだ。別にキリスト系だからといって差別するような排他的なことはしない。私は母親ではないのだ。だが、この映画の根幹に聖書のそうしたエッセンスが組み込まれていて、彼がこのアルゼンチンに造詣が深いと言われても、私は別にこの映画から何かを得られたということはないと言っておこう。

 

 

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