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『夜に生きる』 レビュー(感想)と考察

『夜に生きる』

ポスター画像出典:『映画.com

 

 
 
とても惜しい映画で、内容はいいのに、これが『実話じゃない』から、(なんで実話じゃないのにこの内容なの?)という気持ちになってしまう。また、綺麗な自然の映像なども、実話だったり、それに関連していたら感動するが、そうじゃないのにあまり必要ないカットのように見えて、話が薄まってしまう。

 

例えば『マーヴェリック』というサーファーの映画なら、最後のシーンに色鮮やかな海の映像が上から流れることに意味があるし、『エベレスト』ならもちろんその雄大な大自然が映し出されることは映画の意味ある演出である。

 

そういう風に、映画は一つ一つに意味がなくてはならない。ある映画分析の動画では、『アベンジャーズ』と『黒澤映画』の比較をしていて、前者を酷評していた。だが、後者は『背景で雨が降っていたりと、必ず意味が込められている』と、高い評価をしている。

 

黒澤明などは、作中で読まれることがない手紙の中の文章まで作らせるほど徹底する男だから、そうした本気の覚悟が鑑賞者にも伝わり、我々に『名作』と言わせるのである。