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『ケープタウン』 レビュー(感想)と考察

『ケープタウン』

ポスター画像出典:『Amazon

 

フランス製作のアフリカ映画ということで、少し斜に構えた態度で鑑賞がスタートする。私の場合名作と聞いて鑑賞するのではなく、自分でしらみつぶしに映画を見ていって名作を探すから、とにかくあまり期待はしていなかったということだ。実話でもないし、有名でもない。その時点でかなり審査が厳しくなってくる。だが、映画を見進めていくとどんどん掘り起こされる要素が発覚していき、かなり見応えがあった。

 

警部を務めるフォレスト・ウィテカーが、妙にマザコンチックで女性の前でもなよなよしている。それについて誰もが気になってしまう。マザコンという感覚は世界に出ると日本よりは薄くなるからまだいいが、だが、『ママ、ママ、ママがいないと何もできないよ』とまでいってしまうとまた別だ。彼がそう言うかは別にしておいて、とにかく妙にこの男が『闇』を抱えているように見える。それには理由があったのだ。彼は昔、『何かを失っている』。

 

そして、『パイレーツ』とは対極の役を演じるオーランドブルームもいい。この二人が軸となり、アフリカ独特の混沌とした世界を、徐々に掘り起こしていく。大きな犯罪組織も関わってくる。だから皆はそこに釘付けになる。だが、二転三転展開が転がっていき、気づけば最後まで見応え十分の鑑賞時間を満喫している自分に気が付くのだ。