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『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』 レビュー(感想)と考察

『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』

ポスター画像出典:『Amazon

 

 
 
何も知らない状況でまずこの映画を正当化するために必要なキーワードは『世にも奇妙な物語』だと考えていた。それによって、この映画がいかに不思議な空気を醸し出しても、聞いた人は『何かが起こる』と勝手に考えるようになってくれる。

 

だが違ったのだ。

 

この説明は聞いてしまっていい。実はこれは『ギリシャ神話(エウリピデスの『アウリスのイピゲネイア』)』が基になっている。だから最後まで『鹿』の要素は一切出てこない。だから知っておいた方がいいのだ。なぜ鹿なのか。なぜこの物語は不思議なのか。

 

元々神話というものは『自由な発想』で創られたものだったのだ。そして秩序を作るために宗教が誕生し、それに逆らう形で哲学が誕生した。このような背景を押さえておくと、よりこの映画を楽しめるだろう。現代の常識を当てはめて観る物語ではないのである。