ポスター画像出典:『ヤフー映画』
オハイオ州出身のヘヴィメタルボーカリスト、ティム・オーウェンズ。彼のサクセスストーリーを「メタル・ゴッド」というタイトルで映画化するという計画が持ち上がり、具体的な段階まで進んでいたが、内容が軽薄であるとバンド側が反発したようだ。また、「メタル・ゴッド」という名称はロブ・ハルフォードの登録商標であったことなどからプリースト側は映画との関係を絶ち、結局この映画は「ロック・スター」というタイトルで発表された。
だが、主演のマークウォールバーグはクリス“イジー”・コールという名前の役であり、言われなければ素人にはそれは全く分からない。だが、これらがある種の実話であると知ると、やはり圧倒的な見応えが生まれるものである。だが、同じ系統の『ボヘミアン・ラプソディ』との売り上げの格差がすごい。
ロックスター:約20億円程度(赤字)
ボヘミアン:約1300億円程度(大黒字)
内容はほとんど同じなのだ。音楽で一発当てたアメリカ人が、成功して美酒に酔いしれ、ドラッグでも性の部分でも乱れる。人間が大金を持つと皆同じ行動をする、という教訓の部分で完全に一致している。しかも、マークウォールバーグのこの歌声がガチに見えるから、これが本気なら歌声は完全に負けていない。あるいは勝っている。
だとしたらやはり、『アナ雪』辺りからの『歌って鑑賞する』時代の流れと、『クイーン』と『ヘビメタ歌手』という圧倒的な規模の違いが関係しているだろう。ボヘミアンの方は、クイーンに馴染みがある日本人もとても多く、日本だけで130億円の売り上げを上げている。それはまさに『アナ雪2』に続く、歴代21位に輝く売り上げランキングである(2022年)。
作品は中々面白かったのだが、やはりその人物が『よく知らない人』と『馴染みある人』との違い、そしてジャンルが『ヘビメタ』と『ロック』では、世界に出た時に格差が出てしまうだろう。