『ロスト・イン・トランスレーション』
ポスター画像出典:『ヤフー映画』
日本を舞台にしていてそこにビルマーレイやスカーレット・ヨハンソンなどの名優が登場するからそれだけで日本人は期待できる。だが、世界の評論家が称賛するほどの名作ではない、と日本人なら思うだろう。
完全なる視点の違いだ。監督のソフィアコッポラ自身が若いころ日本に滞在しており、その体験をもとにした半自伝的作品のようだから、視点が外国人なのは当然だ。『マダムinニューヨーク』などもそういうことになるだろう。
ただこの映画を観れば私が常々心底で理解している『元々言語の違いは必要ない』という真理に触れることができるだろう。同じ人間として生きているのに、それだけは全く必要のない差異だ。
この映画によってソフィア・コッポラが有名になり、渋谷スクランブル交差点が世界中に知れ渡り、その後の外国人観光客の来訪も大幅に増えたので、名作の一つとして数えられるだろう。
だがビルマーレイは『チャーリーズ・エンジェル』でルーシー・リュウに人種差別的な態度をとっていたというので、それを考えると彼の演技に妙にリアリティが出る。(本当に嫌いやん)ということでね。そうした、ちょっとした人種差別のような『溝』を、ビルマーレイは必要以上に演じてしまっているように見える。