ポスター画像出典:『Amazon』
『ピーターラビット』で有名な児童文学作家であり画家でもあったビアトリクス・ポターの伝記映画である。とにかく実話というのはどんなことでも教訓になる。よく、『それは漫画の世界でしょ』と言って一辺倒に切り捨てる人がいるが、その漫画を描いている人は人間であり、我々はその漫画やキャラクターを通して人間を観ているのであり、それを想像できない人こそ、漫画がぽんとこの世界に急に登場したとしか想像できない、想像力が欠如した哀れな人間である。
つまり、メルヘン溢れる世界に触れた時、そういう人は『漫画でしょ』として侮るが、実は(この世界を創り出した人は、どのような考え方で、何を目的にこの作品を創り出したのだろう)ということを想像することは、とても想像力のいることであり、普通の人ではできない。
子供ならピーターラビットを見て『かわいー』と何も考えずに遊んで触れていていい。だが、そのような見下されがちなファンタジーの世界の単なるうさぎのキャラクターが誕生した経緯や歴史は『ファンタジーの世界ではない』のだ。確かに存在する。
20歳を過ぎて社会人になったら、もう後は『どれくらい生きるか』ではなく『どういう人生を生きたか』というテーマを背負うことになる。無邪気にうさぎに触れる幼心は持っていてもいいが、同時に彼女のような偉人に近い非凡な人間の人生を、真剣に学ぶ気概が必要である。