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『ホテル・ニューハンプシャー』 レビュー(感想)と考察

『ホテル・ニューハンプシャー』

ポスター画像出典:『Amazon

 

 

原作者のジョン・アーヴィングは『サイダーハウス・ルール』なら万人受けする名作なのだが、性的な表現に臆しないので、『ガープの世界』やこの映画は、その露骨さに驚いてしまう人がいるだろう。個人的には、迫真の演技で私を楽しませてくれるジョディフォスターが、この映画で復帰した理由が謎で、ちょっと残念だ。

 

ジョディの熱狂的なファンを自称するジョン・ヒンクリーによって1981年にレーガン大統領暗殺未遂事件が発生。この事件に衝撃を受けたジョディは、一時期映画界とは距離を置いた。そして、1984年公開のこの『ホテル・ニューハンプシャー』で本格的にスクリーンへ復帰したのである。

 

復帰作品としては良く分からない映画だ。その事件の犯人であるジョン・ヒンクリーは、1976年に公開された映画「タクシードライバー」を繰り返し観る中で、12歳の売春婦「アイリス」役を演じたジョディ・フォスターへの偏執的な憧れを抱き、ストーカーを始めた。その後、ハイジャックしたり、大統領を狙ったりという自分本位な奇行に走るのだが、こうした事件に驚いて映画界から距離を置いた割には、復帰作品がかなり『非常識』な映画なのだ。

 

普通ならもっと王道の映画に出て、そういう輩が寄ってこないような印象管理をするものだが、この役はあまり普通ではない。だが、彼女はいつか『70年代の映画が好きだった』と言っていたので、当時あったアメリカンニューシネマという流行は、性も暴力もドラッグも含めた『自由』を主張する風潮だったから、彼女の『カミングアウト』や私生活然り、もしかしたら彼女はここで言うその『普通』にあまり興味がないのかもしれない。

 

 

 

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