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『ビニー/信じる男』 レビュー(感想)と考察

『ビニー/信じる男』

ポスター画像出典:『Amazon

 

 

交通事故で首を骨折し、歩くこともままならず復帰を絶望視されながらも、伝説のトレーナーと共に過酷なトレーニングに励み、奇跡のカムバックを成し遂げた実在のプロボクサー、ビニー・パジェンサを描く。

 

セッション』でストイックな演技を魅せたマイルズ・テラーのことだから、ボクサーのような職業は見事にハマるだろう。だが、やはり彼だけでは華がない。例えば、『トップガン マーヴェリック』で共演したトム・クルーズは、日本人の仕掛け人が(この俳優は日本人受けする!)と直感したという。その直感通り、彼は日本人からも強烈な支持を受け続けている。

 

だがマイルズの場合は『マーヴェリック』で描かれたような引っ掻き回す役の方が似合っている。だからあの作品ではもっと場を引っ掻き回しても良かったが、恐らくトム・クルーズが場を支配しているので、彼がそこまで目立つ存在にはならなかったのだろう。海辺で遊ぶシーンもトムが撮り直しを指示したとのことである。

 

セッションでは『いじめられているがド根性でギリギリに踏ん張る』彼の姿に思わず応援したくなる気持ちが揺さぶられるが、今回などのように、彼がオフェンス的にガンガン攻めていく、圧倒的トム・クルーズの役を演じるとなると、違うかもしれない。だがもちろん波乱に満ちたビニーの生涯を観るという意味で、見応えは十分だ。

 

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