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『バスキア』 レビュー(感想)と考察

『バスキア』

ポスター画像出典:『Amazon

 

27歳で亡くなったアーティスト、ジャン=ミシェル・バスキアの伝記映画。私も芸術方向は嫌いではない方だが、一切名前を知らなかった。造詣が深い人からすれば、『それは好きとは言えないよ』ということになるだろう。それだけ芸術界にとっては重要な人物なのだ。アンディ・ウォーホルは知っているが、その彼が登場し、彼に認められて親しくなっていくくらいだから、彼の絵は秀でていたのだろう。ウォーホルはバスキアを天才と評していたという。

 

完全なネタバレが嫌ならこの先は見ないでいいが、しかし私だったらこれくらいの情報は先に知っておいたほうがよかった。芸術の話だから理解が難しいケースがあり、はじめに大体の図式を理解しておいた方が作品がよく頭に入ってくる人もいるはずだ。バスキアはウォーホルのみを友として親交を深めていたが、ウォーホルが急死した後ドラッグの使用頻度が上がり、オーバードーズ(過剰摂取)で死んでしまったのだ。27歳という年齢で芸術界の重鎮に天才と認められたアーティストの、孤高な、しかし孤独な、寂しくも彩られた人生は、一体どのようなものだっただろうか。

 

また、ドキュメンタリー映画としての『バスキア』もある。この2つをセットで見るのがいいだろう。貧困、犯罪、ドラッグ、混沌とした地、当時の様子がよく分かる資料である。

 

ちなみに、バスキアは1960年生まれ、シド・ヴィシャスは1957年生まれで、アメリカとイギリスで違いがあるが、同じアーティストとして妙に二人は環境が似ている。両者とも大体似たような時代と環境で育ち、アーティストであり、ドラッグに溺れ、若くして死んだ天才として名を残した。つまり、『シドアンドナンシー』と併せて観ても、更にこの時代や彼らのことがよく見えてくるかもしれない。