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『ドミノ』 レビュー(感想)と考察

『ドミノ』

ポスター画像出典:『Amazon

 

実在した元モデルの女バウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)、ドミノ・ハーヴェイの自伝的映画で、一度観ていたのだが内容を忘れた為もう一度鑑賞した。まさか、まずの時点でこれが実話だとは知らなかった。当時はwikipediaがここまで浸透していなかったような気がする。Amazonすらまだ浸透する前だったはずだ。今は簡単にそういう情報がわかるから便利になったものだ。

 

だが始まってすぐに(これが本当に実話?)と疑ってしまうような、過激映画さながらのシーンが展開される。それが本当に実話なのだからからすごい。日本ではほぼあり得ないことではないだろうか。

 

最近ではyoutubeで簡単に海外の反応が見られるからそのギャップを楽しめるが、日本でカバンを一定時間置いたり、財布を落としたり、自転車を放置したりするシーンを観て、外国人が声を上げて驚いているシーンを見ることができる。海外ではあり得ない事なのだ。そして警告さえしてくれる。『日本人の皆さんが、海外に出た時に日本と同じ感覚を持たないことを祈ります』と。海外では何もかもが違うのだ。

 

メキシコでは道路に死体が落ちている。マフィア同士の戦闘で起きたことだ。それを子供が堂々と目撃してしまうわけだ。まるで、カラスや猫の死体を通学路で発見してしまうように。家の窓や玄関には檻がついていて、二重以上の構造になっていることは常識である。日本の田舎のように、鍵が開けっ放しのことは想像できない。そういう治安が、世界に広がっているのである。

 

Cards for the mafia game

 

そこまで考えれば、確かにこういうことがあってもおかしくはない。おかしくはないが、どう考えてもおかしい。そういう光景が流れる。こういうシーンに直面した時、物怖じしないように精神を鍛えた方がいいのか、それとも日本の方向のように、こういうことが絶対に起きてはいけないというふうに精神をきたえればいいのか。まず最初にそういうことを考えてしまう。

 

さて作品だが、まあそうはいっても彼女は一般人だ。人生全体で映画のような生き方をしたわけではないだろう。どこかに映画のような演出が入っていると想定できるシーンが入ってきて、どこか内容がごちゃついてしまうので、クールな彼女の映画の割にはスマートさがない。

 

映画としては内容自体は大したことはないが、しかし彼女のような人生があることに単純に驚きを隠せないだろう。ただし、実際の彼女は終始麻薬中毒であり、35歳の時にオーバードーズで死亡していることからも、元々自分自身が破滅的な方向に進んでいた、という背景があるようだ。ちなみにホイットニーヒューストンも、同じ浴槽で死んでいる。オーバードーズであった。