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『エンド・オブ・ウォッチ』 レビュー(感想)と考察

『エンド・オブ・ウォッチ』

ポスター画像出典:『ヤフー映画

 

 

「近年最高の警察映画の一つ」と評され、「ロス市警全面協力」で撮影された警察活動に特化した映画。全編通して複数の登場人物の持つカメラ映像を中心に物語が進行するので、臨場感がある。まるで、自分がその一人一人の警官になったかのようなリアリティの中で、犯人に迫っていく緊張感がある。

 

ある種マニアックで、雑な様子がケチなアウトロー映画を観ているかのように見える時もあるが、最後まで見ることにより、この物語が完成することがわかる。

 

つまりその『雑さ』は『調和』だったのだ。要は、この世界自体が混沌としているのである。ましてや、ロスアンゼルスの警官となればどうだ。更にその混沌とした状況と日々向き合うことを強いられる。

 

そんな中、自分という大黒柱はどう在ればいいか。真っ白で、誠実で、何の矛盾も抱えないような完璧主義の、正義感溢れる男でいればいいか。

 

そういう人もいるかもしれない。だが、往々にして人間とは、未熟である。そして、世界の何かでもより混沌とした環境で生きることになれば、目の前の現実をその正義感だけで何とかする力は持っていないことに気づかされる。

 

例えばその正義感の男は、『この世界の戦争』を全て止めることができるだろうか?違うはずだ。できない。ただ自分の目の前にある事に対し、自分が納得がいくかいかないか、という自分本位な基準で動いているに過ぎない。

 

 

LAPD(ロサンゼルス警察)をやっていれば、人が死ぬこともよく見るし、仲間が撃たれることも目の当たりにすることがあるだろう。だが、それでも生きていかなければならない。それでも明日、LAPDとして活動していかなければならない。そういう、彼らの『生のリズム』が伝わってくるリアルな映画である。

 

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