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『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』 レビュー(感想)と考察

『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』

ポスター画像出典:『ヤフー映画

 

 

映画史最大の開発地獄に陥った作品のひとつとして悪名高く、ギリアムは19年間の間に9回映画化に挑戦してその都度失敗した。そして、今回も残念ながら名作とは言えない展開で終わった。

 

まず、主演を務める予定だったのが最初ジョニー・デップだったというところから、もう『型落ち』の印象がぬぐえない。アダムドライバーは名優だが、まだ彼の位置にはいない。そのジョニー・デップが本当に現場に来て、要素の確認をしている映像が、『ロストインラマンチャ』というドキュメンタリー映画にちゃんと映っている。

 

これは

未来世紀ブラジル
Dr.パルナサスの鏡
ゼロの未来

 

と並んで、彼の『迷作』シリーズ入りする作品となるだろう。だが、かのスタンリー・キューブリックは、自身の監督作品である『博士の異常な愛情』の続編を考えた時、監督としてギリアムを考えたというのだ。『フィッシャーキング』や『ラスベガをやっつけろ』も面白いが、このままでは彼の名作は『12モンキーズ』だけになってしまう。何とかこの作品を超える映画を作ってもらいたい。