ポスター画像出典:『Amazon』
先に誰かが勧めているのを見てしまって、私は誰からの影響も受けたくないことからこの映画のハードルを上げてしまっていた。だが実際にはこの映画は、そういうことをすべて飛び越えて、そんな斜に構えた私に『名作』と言わせる実力を持っていた。
ジムキャリーというコメディ俳優が主演ということも不安要素の一つで、どうしてもそっちの方に偏ってしまうが、逆にそのイメージが初期設定としてこっちについていたのが良かったのかもしれない。そのおかげで、『迷う人』がピッタリとハマったのだ。シリアスかコメディか、どっちなんだろうという右往左往する感じが、彼のイメージとハマった。
マーク・ラファロとキルスティン・ダンスト、それにイライジャ・ウッドという名優たちが脇を固めるのも強かった。彼らのシーンに切り替わる時は、まるで彼らがメインかのような錯覚すら覚える存在感を持っている。だがあくまでも彼らは脇役で、想定できない展開などと相まって、物語を確実に盛り上げていく。