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『サンダーボルト』 レビュー(感想)と考察

『サンダーボルト』

ポスター画像出典:『ヤフー映画

 

犯罪に熟練した朝鮮戦争世代の中年男と、当時ようやく終結したベトナム戦争世代の若者との友情を軸に繰り広げられるロードムービー、という説明を最初に聞いた方が奥行きが見えて面白いはずだ。私はそれを見ずに見て、後で説明を見て、(先に知りたかった)となった。

 

私は俳優のことはあまり詳しく調べようとは思わない人間なのだが、2000本以上映画を観るとどうしても俳優の話も自然と入ってくる。イーストウッドの相手が『ハリウッドで最も過小評価されている俳優』ランキングでNo.1に選ばれたジェフ・ブリッジスというのも分からなくて、それが分かっていたら更に奥行きが深くなった。

 

この2つの要素を抑えることで、単なるロードムービーが『世代を超えた男たちの生き様』、『レジェンドたちが歩いてきた過去』に昇華し、現在と過去とが繋がって、この映画自体が一つのロードムービーとなる。

 

50年も前の映画を観ると、それがもし現在であった時とは確実に違う印象を覚える。当時なら彼らの生き様にリーダーシップを覚えただろう。だが今振り返るとそうではなく、『当時確かにこうした連中が生き、そこに、彼らを生かす夢があった』という哀愁を覚える。