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『ウォーリアー』 レビュー(感想)と考察

『ウォーリアー』

 

 

先ほど違う映画の感想を書いて『実話じゃないのに攻められていない』として酷評した。今回もフィクションだ。では実際にはどうか。

 

面白い。格闘技という分かりやすい展開もあるだろう。格闘技をやればわかるが、それは、細かい動き一つ取るだけでも素人だとばれてしまう。体つきは実はたいした問題ではない。ひょろくても強い人間はいくらでもいる。

 

だから、むしろ体つきだけになっていないかどうかをチェックされる。一番はフットワークだ。足の身軽さや目線、攻撃する時の手足の素早さや引き、どちらの手から繰り出すかなど、格闘技を習っていなければ分からない要素を、きちんと押さえているかどうかが注目される。

 

そういうことにおいて、トム・ハーディならもちろんやってくれるという信頼があるが、ジョエル・エドガートンもきちんとこなしているのだから、全体的に本気度が伝わってくる映画である。

 

トムハーディはコワモテだから『ダークナイトライジング』のようにヴィランを演じることが多い。デビュー作同然の2002年の『フランス外人部隊 アルジェリアの戦狼たち』からそうだったが、彼は基本的にさわやかなクールガイというよりは、こういう体育会系のバチバチにやり合う役がよく似合う。

 

ダークナイト ライジング』ベイン役トム・ハーディ、ある事忘れ ...

 

だから彼はこの手の役をこなしてくれるという期待があるし、その孤高の生き様も周りをうまく巻き込んでいていいスパイスになっている。

 

フィクションの場合、『フィクションなんだからド派手なことをやる』か、このように『フィクションと言えど、そんじょそこらの人にはまねできない』作品を作ることで、観客の心を掴めるだろう。