Contents|目次

『コップランド』 レビュー(感想)と考察

『コップランド』

ポスター画像出典:『ヤフー映画

 

警察というものは国家権力である。だから自分を鍛えていない人間はその大きすぎる権利に自らを乗っ取られ、我を見失い、越権行為に走ることがある。弱い人間ほど『自分以外の力』でその足りない部分を補おうとするのだ。だがその上着は、諸刃の剣である。一見すると防御力が高いが、その特権を乱用すれば最後、自らの命を蝕んでいく。

 

たとえ地味で大人しく見えても、真実に観て、真実に生きようとする人間には、それらの光景が歪んで見える。経済学の巨人と言われたガルブレイスは、1636年のチューリップ狂の経験以来、 何も変わらないある法則を見極め、こう言っていた。著書『バブルの物語』にはこうある。

『個人も機関も、富の増大から得られるすばらしい満足感のとりこになる。これには自分の洞察力がすぐれているからだという幻想がつきものなのであるが、この幻想は、自分および他の人の知性は金の所有と密接に歩調をそろえて進んでいるという一般的な受け止め方によって守られている。』

 

そこにあるのは『幻想』だ。だが、それに気が付けるのは、表層に作られた幻に支配されない、真の人間である。