ポスター画像出典:『公式サイト』
自動手記人形というあまりにもニッチな作品だが、彼女がそうした職業に就くまでに至る過程と、機械人形という『人間ではないもの』として生きることの虚無と儚さ、そしてそれがあるからこその尊さが絶妙で、彼女が歩く一歩一歩に、得も言われぬ哀愁がある。
彼女は人間ではないのだから、人間のことはすべて分からない。分からないままこの世に生まれ、分からないまま、言われるがままに生きた。
いや、生き残ってしまった。
どうしてこうなったのか分からない。なぜ自分は苦しいのか分からない。だが、一つだけ言えることは、自分には命に代えても守りたいと思うほど大切な人がいるのだということ。
この気持ちは一体何なのか。彼女は、『人が人に書く心のこもった手紙』を代筆する自動手記人形という立場を通し、人の心を少しずつ理解していく。