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『クーパー家の晩餐会』 レビュー(感想)と考察

『クーパー家の晩餐会』

ポスター画像出典:『Amazon

 

クリスマスというのは人それぞれで受け取り方が違う。アメリカは9割がクリスチャンなのでこれを堂々と祝うが、日本は1割もクリスチャンがいないので、彼らとは違う意味でこの日を迎えることになる。その点において、タモリも『笑っていいとも』のクリスマススペシャル生放送にて、そのことに言及したことがある。

 

だから皆が皆、クリスマスをイルミネーションの近くで、クリスマスソングを聴きながらロマンチックに過ごすということはない。それを想像した時、こういうとある家族のわけあり風景は、自然に受け入れることができる。また、やはりそれはアメリカで、クリスマスという『軸』があることで、そのエネルギーの柱に向けて人々がリズムを調整するところがある。

 

要は、『クリスマスまでに恋人を家族に見せよう』とか、『クリスマスに変な料理を出すわけにはいかない』などと、どこかクリスマスが軸になっているわけだ。それだけアメリカ人にとってはクリスマスは特別な日ということなのである。

 

だが、かといって今まで観た3000本の映画で、クリスマスにイエス・キリストをこれでもかと押し出した映画はほとんどなかった。描かれるのは日本と同じように、大切な人間関係が集まって食事をしたり笑足りするという風景。だから、無宗教で生きることを決めている私のような人間であっても、彼らやクリスマスを祝う人々を責めることはない。むしろ、家族をまとめることができる力強いエネルギーをその日に感じていて、興味深い。

 

今回、集まった家族にはそれぞれ抱えている秘密や問題があるようだ。それは、このクリスマスという特別な日がどう解決してくれるだろうか。