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『Ray/レイ』 レビュー(感想)と考察

『Ray/レイ』

ポスター画像出典:『Amazon

 

 

レイ・チャールズの伝記映画。かなり波乱に満ちた人生を送っていて、かつ彼の音楽は多くのアメリカ人の心を躍らせるほどのソウルがあるので、映画化は全く不自然ではなく、むしろ興味津々で彼の人生を覗く人が多いだろう。

 

黒人というだけでとてつもないハンデを背負うのに、それにプラスして視力を失い、実の弟を幼少の頃に失うという難しい人生を強いられる。普通はもう音を上げるだろう。それくらい生きるのは相当苦痛だったはずだ。

 

だが、『強いられて偉人になる』。もしもそれだけ難易度の高い人生を強いられ、見事にそれを生き貫いたのなら、往々にしてその人は、偉人になる。

 

麻薬との付き合いも大変だ。盲目の人に麻薬を教えるなんて異常犯罪に近いが、常識というものは時に常軌を逸する。ソクラテスが『無実の罪』なのに大勢の裁判員に『死刑投票』されたせいで刑死したように、その時、そこに広がっている強いエネルギーには、逆らえないことがある。だが、レイは音楽というエネルギーを創り出す。その光は、闇をどれだけ照らすか。彼の生き様を見届けたい。

 

 

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