Categories: レビュー

『アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち』 レビュー(感想)と考察

『アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち』

ポスター画像出典:『ヤフー映画

 

 

まあこの記事を最後まで見逃さない方がいい。この映画を最大限に楽しむために必要な基礎知識は、精神病患者の歴史だ。

 

『精神病者は罪人ではなく、治療を受けるべき病人』とわかったのは1800年くらいから。それを主張したPh.ピネルやフロイトのような精神分析学者たちの存在によって、精神病者は『悪魔に憑りつかれた人』でも『罪人』でもなく、治療で治すべき人だということがわかった。

 

だがその後、鬱病も含めた精神病者は電気ショックロボトミー(脳の前頭葉の一部を切断する手術)などの外科的治療を行う非薬物療法が横行した。つまり『当時の医者よりも正しい答えを持っていた人間が存在していた』のである。これがこの映画を深くする重要な事実だ。

 

ある医者が精神病院にやってきた。どこを見てもクレイジーな人間ばかりだ。だが、どうも様子がおかしい。地下から人間の声がするのだ。

 

それにどこか、院長を名乗る男が妙だ。緻密に設定が作りこまれている。世界観が見事であり、映画の世界に引き込まれる。

 

これだ。これが世界初の推理小説家エドガー・アラン・ポーの実力である。

 

 

 

IQ

Share
Published by
IQ

Recent Posts