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『真実の行方』 レビュー(感想)と考察

『真実の行方』

ポスター画像出典:『ヤフー映画

 

このような展開の映画は好きなので、名作として挙げることができる。超一級作品には並ばない。だが数ある映画の中でこれは十分見応えのある映画で、この映画でアカデミー助演男優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞 映画部門 助演男優賞を受賞したエドワードノートンだけじゃなく、主演のリチャードギアもいぶし銀の活躍をしてくれている。

 

エドワードノートンは実力が確実にあるので、いずれ『ファイト・クラブ』や『ハルク』以上の超名作の主演を務めそうだ。『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でも彼の評価はすこぶるよかった。

 

同じ系統の映画が多くなる傾向にあるが、それは『~といったら彼しかいないだろう』として、キャスティングされる風潮があるからだろう。彼はこの映画が映画デビュー作となった。

 

リチャード・ギアは何も受賞してないしエドワード・ノートンの実力は目立つが、しかしそれは彼のような人間がいたからこそのものだろう。北野武は、タモリのことを『白米のような人だ』と言っていて、『誰に出も合わせられるし、誰と共演してもご飯になる』という彼の特徴を話していたが、リチャードギアがごく普通のいぶし銀の活躍をするからこそ、という事実を理解したい。

 

HACHI 約束の犬』も『シャルウィダンス』も、普通の男だからこそそこに馴染みと共感性があり、安心できて心が温まる。『キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け』も、こういうどこにでもいそうな思い上がった男がどうなってしまうのかと、観客の心をつかむのだし、 『顔のないスパイ』もそうしたエッセンスがあるからこそ成り立ったのだ。