Contents|目次

『君への誓い』 レビュー(感想)と考察

『君への誓い』

ポスター画像出典:『Amazon

 

実話をもとに、交通事故で夫(チャニング・テイタム)の存在を忘れてしまった妻(レイチェル・マクアダムス)と、彼女の愛を取り戻そうとする夫の姿を描く。この手の話にはフィクションも多いが、ノンフィクションというのはやはり見応えが違う。だが、実際に意外と『余命いくつの妻』だとか、そういう話は実在しているので、確かにこういうことはあるのだ。

 

しかも状況的に、もし駆け落ちに近い状態であった場合、二人が強く見つめ合う絆が絶対軸になっているので、どちらか一人でも目を反らしてしまえばその関係は破綻してしまう。

 

冷静に考えた時、常識で考えれば、『範囲内』で生きることの方が魅力的に映る。 それは自分たち人間が『生命』だからだ。マズローの五段階欲求を考えてもわかるように、衣食住等の最低限の欲求を当然のものとした後は、次に考えるのは『安全欲求』である。

 

安全に、安心して生きる為にはなにかと『範囲内』で生きることが鍵になる。常識、法律、決まり事、セオリー、とにかく既に多くの人間がこれまでに実践し、確立してきたその範囲内で生きれば、高い確率で安全な人生を送れる可能性が高いのだ。

 

もし、記憶を失ってしまった場合、この欲求もリセットされる可能性がある。自分の人生で長い時間をかけて培ってきた自我で判断した『自分らしい決断』も、リセットされて冷静な目を持つようになると、馬鹿馬鹿しく見えてしまうものである。

 

果たして、この夫婦の運命やいかに。