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『噂の二人』 レビュー(感想)と考察

『噂の二人』

ポスター画像出典:『Unext

 

性同一性障害は、性別不合と言わなければならなくなった。LGBT問題もかなり進んでいて、かつてイギリスでは同性愛者というだけで逮捕されていた時代があったが、現在ではその多様性を認めないと、柔軟性のない偏屈者として扱われる。流れ的に、あと100年もすれば女性の権利もこれらの問題も大きく進歩しているだろう。『進歩』が何を意味するかは一つだが、『人間の進歩は真理に近づくとは限らない』事実がある。

 

例えば『ナウシカ』が分かりやすいだろう。あれは3000年後の話だが、途中人間たちは『進歩』し続けて、世界を破滅できるほどの化学兵器を作り上げたわけだ。だが、それは『真理』から遠ざかる行動だった。100年後我々の世界は、『化粧』やその系統の云々が、進歩しているのだろうか。それとも化粧がなくなり、ムダ毛を処理せず、より自然のままの姿でいることに、何のためらいも恥じらいも、罪深さもないようになっているだろうか。

 

性別不合に関しての答えはどうだ。いやとにかく、1961年のこの時代、原作は更に古い1934年だが、その問題だけでここまでの騒ぎになるか、という、そういう事実を突き付けられる映画である。

 

当時としては、オードリー・ヘプバーン、シャーリー・マクレーンという『噂の二人』の共演ということで話題になっただろう。この映画はそれだけで価値があるが、更にスパイスになっているのが『クソガキ』の怪演である。

 

あの少女の存在はTHE・邪魔でしかない。だが、それがないとこの映画は面白くならない。最高の役を演じた彼女が、MVPだろう。

 

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