ポスター画像出典:『公式サイト』
実はこの映画は奥が深かった。最初、15歳の子供がやたらと仲のいい両親の姿をじっと見つめるシーンがいくつかあって、正直ちょっと気持ち悪いなと。男だから、そう感じてしまう。もっと堂々としろと。だが実はそのシーンには重要な意味があったのだ。それだけだとマザコンっぽいような、ちょっと弱弱しい感じだ。だが両親の関係がどんどん複雑化していって、子供がそれに巻き込まれる。
『家族の崩壊と成長を描いたヒューマンドラマ』
の『成長』というのは実はこの子供のことだったのだ。だから最初にこの内気気味な少年の姿が必要だった。『そんな少年だからこそ』、この家庭内問題が意味のあるものに見える。なければただの醜い喧嘩だ。
ノエル・デュ・ファイユはこう言い
トルストイは言った。
人生は単純じゃない。我々はその単純ではない人生を、強く、逞しく、生きていくのだ。