『ロレンツォのオイル/命の詩』
ポスター画像出典:『ヤフー映画』
難病副腎白質ジストロフィーに悩むひとり息子ロレンツォを助けるため、解決策を必死に探すオドーネ夫妻の実話に基づく物語。この映画の専門性の高さは、wikipediaの実話説明である、以下の内容を見て分かる通りである。
「ロレンツォのオイル」が無効と言われ、詐欺師やインチキとまで批判されたロレンツォの両親を、最後まで支持し擁護していたのがそのモーザー医師である。「オイル」の臨床試験を地道に続け、2005年に「ロレンツォのオイルはすでに症状が進行した患児には無効だが、血中VLCFA値が高値を示す児の発症予防や症状軽減には有効」という画期的な論文を出した
普通の家族だった。だが、ある日子供が難病中の難病にかかった。すべての親はその瞬間に突き付けられる。『残りの人生を、どのように生きるか』ということを。
例えば、今挙げたような超専門的な話を、あなたは理解できるだろうか。できるわけがない。できるのは専門家だけだ。その専門家レベルにまで自分の知識を引き上げなければならない。それも、『最低限』のためにだ。最低限そのレベルに自分の知識を引き上げることは、戦うことを意味する。病気と。そして、それを治すために必要なありとあらゆる障壁の一切とだ。
その知識は知識そのものだけではなく、『その知識を習得した決意と覚悟』という心に覚悟した一本の槍を意味する。戦闘に無知の素人が、『攻略不可能』と言われた戦場に一本の槍だけ持って未踏未達のミッションに挑む。
それだけで、想像を絶する勇気とエネルギーがこの両親たちに秘められていることが垣間見えるのだ。ミッション。それは『使命』である。ある日、自分の子供が死に直面した。それは、使うときだ。自分の『命を使う』時だ。