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『リアリティ・バイツ』 レビュー(感想)と考察

『リアリティ・バイツ』

ポスター画像出典:『Amazon

 

 

1990年代のジェネレーションX・MTV世代を描いた映画で、原題の “Reality Bites” からも分かる通り、厳しい現実(現実が噛み付いてくる=現実に直面する=厳しい現実)に立ち向かう4人の若者を描いた青春群像劇である。ちなみに、2020年代に日本で話題になった『Z世代』だが、アメリカ合衆国をはじめ世界各国において概ね1990年代中盤から2000年代終盤、または2010年代序盤までに生まれた世代のことだ。生まれながらにしてデジタルネイティブである初の世代である。Y世代(ミレニアル世代とも)に続く世代であることから「Z」の名が付いている。

 

X世代 1960年代中盤から1970年代終盤(もしくは1980年代序盤)に生まれた世代のこと。ベビーブーマーの次の世代で、ミレニアル世代(Y世代)の前の世代に当たる。
Y世代 インターネット普及前の時代に生まれた最後の世代で、幼少期から青年期にIT革命を経験したデジタルネイティブの最初の世代でもある。X世代の次の世代であるため「Y」の名が付けられた。
Z世代 1990年代中盤から2000年代終盤、または2010年代序盤までに生まれた世代。生まれながらにしてデジタルネイティブである初の世代。

 

つまりこの映画はそのうち『X世代』で、ベビーブーマーの次の世代の青春群像劇だ。ちょうど日本で言えば、松田聖子だとか沢田研二あたりの活躍を目の当たりにした世代だろう。ちょうどそれくらい古くなると『ダサい』印象を覚えてしまうのが人間だが、この映画にあまりダサい一面は見当たらない。むしろ、『この先どうやって生きていこうか』という、健全な若者の姿を見ることができる。

 

アメリカでは70年代にアメリカンニューシネマという新しい概念が生まれた。

 

  • イージーライダー
  • カッコーの巣の上で
  • ダーティハリー
  • 俺たちに明日はない
  • 明日に向かって撃て!

 

など、ベトナム戦争に邁進する政治に対する特に戦争に兵士として送られる若者層を中心とした反体制的な人間の心情を綴った映画作品群、およびその反戦ムーブメントにより、「ハッピー・エンド」の王道から遠ざかり、反体制的な人物が体制に敢然と闘いを挑む、という内容が多く描かれた。

 

  • ウォーターゲート事件
  • ベトナム戦争
  • ケネディ暗殺

 

これらの国民を揺るがす大事件の数々が、当時のアメリカ人の心に大きな影響を与えたのだ。この映画で生きる彼女たちX世代は、そんなひと悶着があった『後の人生』を生きることになる。色々あった。それに抵抗した。そして一段落ついた。さて、この先どうやって生きていけばいいのか。そういう切実な悩みを抱えた若者たちの葛藤ドラマは、十分見応えのあるものなのだ。

 

 

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