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『マイケル』 レビュー(感想)と考察

『マイケル』

ポスター画像出典:『ヤフー映画

 

 

普通に考えたら毛むくじゃらの大柄のおっさんが『天使』と言われても受け入れられないし、引くだけ。だが、ジョン・トラボルタという男の実力を知っている人なら耐えられるだろう。彼とニコラスケイジは実力があるのに一線から退いている、不思議な立ち位置にいる。ニコラスの場合はお金だが、彼の場合は何か。いつか女装癖があるとかないとか、そういう海外特集の映像を見たような気もするが、まあとにかく私生活の何かが足を引っ張っているのだろう。

 

ジョニー・デップとアンバーハードもそうだ。黙っていれば一流でいられたのに、あの裁判でどちらかが脱落するような気配になった。そして結果的にアンバーハードが負け、ジョニー・デップがかろうじてその名誉を取り戻したが、展開次第ではどちらも映画界から去らなければならなかったと思うと、俳優にとって私生活は、考えれば当然のことだが、至極重要な要素である。

 

フラッシュ役のエズラ・ミラーも私生活において、ハワイで女性に暴行を加えて逮捕された。また、伝説の俳優リバーフェニックスもジョニー・デップが運営するクラブでオーバードーズして23歳の若さで死亡した。逮捕されたり死んでしまったら、もう映画には出られない。

 

ジョン・トラボルタという男も、実力があるのに何かしらの理由で転落気味の俳優である。新しく映画を作っても批評家の支持率が0%になるなど、謎の低迷を続ける。何かの陰謀でもあるのか。彼には実力があるようにしか見えない。

 

今回の映画も、結末などはとても好きな展開だった。中々いい映画だったのだ。むしろ私は、彼の映画の中では、そのニコラスケイジとダブル主演を務めた『フェイスオフ』の方が駄作に見える。

 

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ジョン・ウー監督のアクション映画で、1997年に制作され、彼が手がけたものの中で『レッドクリフ』や『ミッション:インポッシブル2』に次いで成功した作品なのだが、私はこの映画こそ、彼らがその地位に甘んじて殿様商売で適当に演技をし、それだけで客は満足する、とでもいうかのような気配を感じて嫌だった。

 

人の中には、『これくらいの映画はまだか』などと過大評価する人がいるようだが、恐らく彼はただこの映画の売り上げに影響されているだけだろう。例えばこの映画の説明にこうある。

 

ニコラス・ケイジとジョン・トラヴォルタの秀逸な一人二役の演技も話題となった。特にトラヴォルタの役はトラボルタの出演作である2013年の『キリングゲーム』一般試写会にてショウゲートが行ったアンケート“好きなトラボルタ作品”で1位を得るほど高い支持を得ている。この『好きなトラボルタ作品”で1位を得る』という事実があるのに、その20年後の映画で『批評家の支持率が0%』ということがあり得るだろうか。私から見て、彼やニコラスケイジにそんな急降下の様子はうかがえない。

 

ただ、環境に恵まれていないだけで、彼ら二人という要素はそのまま変わらないように見える。