ポスター画像出典:『ヤフー映画』
実在の殺し屋リチャード・ククリンスキーを描いた映画で、正直ロバート・デニーロが主演をして、名作に数えられていてもおかしくないような最高のアウトロー作品となっている。
この作品が埋もれてしまうのだとしたら、主演のマイケル・シャノンが悪役としての威厳はあるが、主演としての華がないことだけが原因となるだろう。妻役のウィノナ・ライダーも美人だし、脇を固める『キャプテンアメリカ』のクリス・エヴァンスや名悪役のレイ・リオッタも強い。
彼が選ばれた理由はもしかしたら身長かもしれない。実在のその殺し屋の人間像と照らし合わせた結果、彼が適任となったかもしれないが、やはり映画の興行的成功には、キャストが大きなカギを握っていることがわかる。
例えばここにも登場する『パワー・オブ・ワン』のスティーヴンドーフも、『タイタニック』の話を断っているというが、あれはディカプリオの美男子ぶりがあるからこそ稀代の名作になった可能性が高い。
だが、この映画の持つ狂気が過小評価されるのは非常に惜しい。実話なのだからそこらのフィクションより全然背筋が凍る。『ゾクゾクする』とかそういう稚拙なホラーマニアの無責任な話ではなく、一つの資料として見応えがある。