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『ファンタスティック・プラネット』 レビュー(感想)と考察

『ファンタスティック・プラネット』

ポスター画像出典:『Amazon

 

 

この映画がおすすめの理由は『奇妙な巨大生物の描写など、宮崎駿の漫画・アニメ『風の谷のナウシカ』に影響を与えた作品である』という一面があるからである。もしそれがなければ多くの人は『頭のおかしい人が作った』と思うことだろう。証拠に、『ファンタスティック・プラネット』と検索すると、サジェストに『精神病』と出てきた時期があった。実際、製作者は精神病院アートの出身だとか、そういう話をどこかで観た。

 

また、

『クセになりたまに見たくなるのですが体調悪いときに見たらダメでした。元気なときに見るのをおすすめします。』

 

などという感想の書き込みもあった。だがこの作品の異質さが高いのは、様々な偶然も重なっているだろう。

 

例えば、2022年現在でもそうだが、任天堂Switchほどの最新のゲーム機であっても、プレイステーションほどゲーマー向けのハードではなく世界規格の万人受けだから、どうしてもPSと比べてハードのレベルが低い。よって、人気のあるソフトであってもPSと比べて圧倒的にグラフィックに差があり、安っぽい仕上がりになってしまう。細部が雑だし、人の動きがカクカクしているわけだ。軍隊のように急に回れ右をしたり、そういう動きしかできない。よって、キャラクターが独特の動きをして妙な世界観になってしまう。この1973年のアニメ映画にも、同じような現象が起きていると言えるだろう。そうしたいくつもの偶然が重なって、奇妙さが助長されていることがある。

 

公式サイト

 

例えば、地球の人間とはまったく違う概念を描こうとして、

 

  • 目を赤くする
  • 無表情にする
  • 体毛をなくす
  • サイズを大きくする
  • 他の生命に対する異なる対応をする
  • 自身の生命維持の対処が異なる

 

などのことをしていったことが、偶然麻薬であるLSDの乱用者が見てトリップするイメージ映像と似た世界観になってしまっている、ということがあるかもしれない。もちろん、70年代はアメリカでもアメリカン・ニューシネマの時代だから、ヒッピーがいてドラッグを使用することは今よりも当然の権利のように主張していて、『イージー☆ライダー』なども本当に大麻を吸って撮影しているから、本当にそうした影響があるのかもしれないが。