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『パフューム ある人殺しの物語』 レビュー(感想)と考察

『パフューム ある人殺しの物語』

 

 

かなりリアルな設定だから、つい『パフューム 映画 実話』と誰もが検索しているようだ。サジェストが存在している。原作はパトリック・ジュースキントの1985年の小説『香水 ある人殺しの物語』であり、実話ではない。だが、それくらい臨場感があるのだ。まるで、本当にそういう男がいたかのように描かれる。この映画がホラーと同じ恐怖レベルなのに単なるホラーじゃない理由は、

 

  1. 彼の生い立ちから描いている
  2. 脅かす音楽が鳴らない
  3. 彼は真剣そのものである

 

というところにある。私は『無駄』グロと言って、無駄という言葉を使うが、そういうものに触れるのは10代で終わっている。ただグロい映画を観る時間は無駄である。だが、こうやって『真剣に歪んだ人間を描く』なら無駄ではないのだ。彼はやむを得ずそう生まれて、やむを得ずそう育って、真剣にそれに従って生きただけに過ぎない。

 

やったことは許されない。もし自分の娘が同じ目に遭ったら彼を殺すかもしれない。だが、こういう人間の人生もあるということは、決して見て見ぬふりはできない。

 

製作費は5000万ユーロ(約6370万ドル)であり、最も高額なドイツ映画のひとつとなっているようで、映画の外観を定義するためにスタッフは、『スリーピー・ホロウ』、『アマデウス』、『オリバー・トウィスト』、『バリー・リンドン』、『フロム・ヘル』、『エレファント・マン』、『ドラキュラ』、『ジェヴォーダンの獣』、『ヴィドック』、『レ・ミゼラブル』などの時代劇を鑑賞したという。

 

たしかに私は関連映画に『エレファントマン』を挙げようとしていた。それはマイノリティという意味でだが、ここに挙げられている映画はすべてうなづける作品である。