ポスター画像出典:『Amazon』
まず、90分だし、高齢者の話だし、家を売るというニッチな話だから、B級レベルを覚悟する。だが、終わった後はむしろ『名作』としてジャンル分けすることになるという、大どんでん返しの作品だ。
俳優も実力者だ。モーガン・フリーマンは説明不要だが、女性の方もよく大御所と絡んでいて、名前は知らなかったのだが彼女が出る映画は意外といい映画が多く、気にはなっていた。私は映画を3000本も観るのに興味があるのは作品の内容だけだから、俳優の細かい情報まで知らない。しかし調べてみると、ダイアン・キートンという女性で、
のあの彼女だという。さすがにゴッドファーザーほど古くなると、現在の彼女と一致させることは難しかった。アニーホールもそうだ。あれほどがっつりヒロインを演じていたのに、高齢になってからの彼女と一致しなかった。
錚々たる俳優たちと共演してきただけあって、彼女の堂々たる演技は筋金入りである。また、個人的な話で言うと母親も彼女のことが好きで、たまたまこの映画を観ていたという。そして、これも偶然だが、我が家の実家を売らなくてはならない一生に一度の大問題がこの後すぐに発生する。
私はよく『自分とは遠い話だから分からないが、刺さる人には刺さるだろう』と言うのだが、このような経験もいくつかしているからだ。そしてそのたびに、
(これはこうして実際に経験をしなければ、この心境は分からないだろうなあ・・)
とつくづく感じてきたのである。まさか、この映画がその我が家の一生に一度の大問題に役立ってくれるとは想像していなかった。元々『名作』としてジャンル分けしていたので、更にその件があったことにより、この映画は忘れられない存在となった。