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『デッド・カーム戦慄の航海』 レビュー(感想)と考察

『デッド・カーム戦慄の航海』

ポスター画像出典:『Amazon

 

 

1983年にデビューしたニコール・キッドマンの、ページ詳細がある作品の第一弾である作品。1988年、あるいは89年にオーストラリアで製作されたサスペンス映画で、時間も90分程度で、ニコールキッドマンもまだまだ小物扱いだから、全体的にB級気味の雰囲気が流れる。

 

だが、意外と面白い。日本では劇場未公開だし、恐らく地上波で放送されてもカットされる部分がある、少し攻めた作品だが、だからこそ映画慣れした私のような鑑賞者の目も釘付けにする力を持っている。

 

ケープ・フィアー』のようなものだ。あれも、午後ローで観た時デニーロの狂気染みた部分が丸々カットされていたが、あの映画の核は、まさにそのカットされた部分にあった。この映画も、そのカットされるであろう狂気的な部分が肝である。例えば、漫画『彼岸島』でも、(まさかこんなことが・・)というヒロインに怒る悲劇の展開があるが、そのおかげであの漫画が他とは一線を画す境地に存在できる。

 

そんな気配が漂う映画である。何がどうなるかがわからないから怖い。そして、序盤にあるこの夫婦たちの身に起こる悲劇も、この作品の怖さに繋がっている。不安定な船の上で、心が不安定になった夫婦が、不安定な展開を繰り広げるのだ。一体いつになったら安定するのかわからない。それがこの映画の面白さだ。

 

この映画を偶然目にしたトムクルーズに招かれてハリウッド入りし、『デイズ・オブ・サンダー』で共演、1990年に結婚した。

 

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