年代
名作がぎっしり詰まっているのが50年代。『シンデレラ』の名作ぶりを考えると1位でもおかしくはない。『雨に唄えば』も想像を超えてくる名作である。『七人の侍』はモノラル音声等の『わかりにくさ』がなければ上に来る。海外の人はこの映画を『音声が整った状態』あるいは『字幕付き』等で鑑賞するからこそ、物語が理解できる。日本人は『マグニフィセント・セブン』の方がはるかに理解しやすい。
『ティファニーで朝食を』を他の3000作品と比較して考えてみると、正直『偶然の一致』というミラクルも起きている。あらゆる層を魅了する要素を含んでいるから幅広い層に愛され続けるが、それをすべて計算したわけではないだろう。お洒落で、音楽もいい。『奇跡の人』はもうヘレン・ケラーとその教育者となったアニー・サリバンの壮絶な人生からは、人類全員が目を背けるべきではない。
『アメリカン・ニューシネマ』というこの時代の波は戦争や政治に逆らう気概から巻き起こり、『アン・ハッピーエンド』の特徴がある。その中でキューブリック作品や『カッコーの巣の上で』等の名作が生まれる。だが、その名作の中、そして『ゴッドファーザー』や『スターウォーズ』を差し置いて1位に輝くのは、『パピヨン』だ。これが実話というのだから本当にすごい。
『映画』という大きな枠で考えた時、私はジブリ作品をあまり『映画』とは考えておらず『人生の一部』と考えている。『戦場のメリークリスマス』のBGMと北野武のラストシーンの笑顔は生涯忘れられないし、『スタンドバイミー』の哀愁もそうだ。だが、私が映画を好きになったのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のおかげだった。私は人と考えが被ることを好んでいないが、これだけは他の大勢の映画ファンにアンケートを取っても意見が一致した。『全映画の中で1位』に輝いたのだ。
『ホーム・アローン』には『BTTF』のような魔法がかかっている。ジブリ映画のように何度鑑賞しても飽きないという、奇跡の作品だ。特にXmasになるとその価値が数百倍に引きあがる。『タイタニック』を悪く言う人は、まるで『ドラゴンボール』を悪く言う人と同じだ。別に、何か差別的な思考でこれらに夢中になったのではない。『夢中になる要素が揃っていた』だけなのだ。私がそれを見誤ることはない。
正直『THE 11 HOUR』こそが全映画の頂点に君臨する価値を持っている。だが、これはドキュメンタリー映画であり、内容が著しく難しい。『風の谷のナウシカ』に暗に込められたメッセージに『有機水銀分解菌』があることをほとんどの人が知らないように、『わかりやすさ』を演出することも、名作として人間が認知することに繋がっている。その点『ダークナイト』は、至高のエンターテインメントだ。クリスチャン・ベールの妥協しない演技に感銘を受けたヒース・レジャーが、史上最高の『ジョーカー』を演じてくれた。
映画館で最も興奮できたのはもちろん『アベンジャーズシリーズ』だ。また、教訓性が高い映画が多い。『ゼログラビティ』も『ファウンダー』も、『はじまりへの旅』も、すべてとてつもない教訓が詰まっている。だが、その教訓性もエンタメ性もすべて頭一つ抜きんでていたのが『インターステラー』だ。『コンタクト』からの単純な理論物理学の進化もそうだが、無意識かもしれないがこの映画では人類、いや神羅万象すべての頂点、いや『中心』に君臨する『ある要素』の重要性が描かれている。
コロナが世界に蔓延して毎週映画館に行く習慣も終わってしまったが、いずれまた復活するだろう。20年代は始まったばかりなのでこれからもまだまだ名作が出てきてくれるはずだ。