ポスター画像出典:『Amazon.co.jp』
1944年から1946年にかけて制作されたソ連映画で、“イワン雷帝”ことイヴァン4世の生涯を描いた作品。古すぎるから、それが玉に瑕だ。内容がスターリンの気に触れたので上映禁止となったりと様々な問題があるが、彼の存在は歴史の専門書にもロシアの歴史として必ず大きく出てくるほどなので、もっと後になってゆっくりと映像化してほしいものだ。
だが、彼の圧倒的な存在感はこの役者の怪演から伝わってきた。世紀末、ロシアの原型となる『キエフ公国』が建国される。キエフ大公ウラディーミル1世は、ビザンツ皇帝のバシレイオス2世の妹と結婚し、ロシア正教の洗礼を受け、キリスト教化によって国家を統一し、同時にビザンツ文化も導入した。
キエフ公国のあと、ロアはモンゴル帝国の一部となったが、モスクワ大公国が成立すると再び独立し、シベリアへの領土を拡大して大国への道を歩み始める。イヴァン3世が分裂していたロシアを統一し、モスクワを中心とした中央集権国家をつくりあげ、2世紀半も続いたモンゴルによる支配を終わらせたのだ。
更に、『雷帝』と呼ばれたロシア史上最大の暴君イヴァン4世の時代に絶対君主制を導入し、大帝国ロシアの基盤を築いた。この映画では1546年頃からの彼が描かれる。