ポスター画像出典:『映画.com』
アメリカのタバコ産業の不正を告発したCBSのプロデューサーと大手タバコ会社の副社長によるタバコ産業の不正告発を描いた社会派ドラマ。このCBSの人気ドキュメンタリー番組『60 Minutes』というのは中々切り込むことが有名で、他にも『ニュースの真相』など、この番組を軸にした映画が存在している。その場合、ブッシュ大統領の不正について切り込む内容だった。
今回の場合はたばこ大手と簡単に言うが、実際にはその経済力は莫大で、そのCBSごと買い占めることができてしまうレベルの規模だ。つまり、もしそのテレビ局の、単なるプロデューサーレベルの人間がワーワー騒いだところで、上の圧力で番組ごと消すことも可能になってしまうのである。これは、組織の人間になったのなら仕方がない現実だ。それが嫌なら自分でやるべきだった。だが、それよりも手っ取り早く結果を出したり活躍したいということで、『既に存在して脈を張った組織』に入社したのだ。その時から、その自由と代償に失ったものがあったのである。
だが、だからといって泣き寝入りするべきなのか。いつだって人間は、巨大な権力には抗うことはできないのか。多勢に無勢。物理的に考えても、100は1よりも多く、火に水をかければ火は消える。そういうこの世界の『決して逆らえない力関係』に、信念のジャーナリストが挑む。