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『欲望のバージニア』 レビュー(感想)と考察

『欲望のバージニア』

ポスター画像出典:『Yahoo!映画

 

アメリカ禁酒法時代にバージニア州フランクリン郡で密造酒を売るボンデュラント兄弟が主人公で、彼らは実在した人物だ。この時代、例えばこの東の地バージニアから少し北西に移動したところにあるシカゴでは、アル・カポネという有名なマフィアが同じように密造酒によって暗躍していた。また、少し北に移動したとこにあるニューヨークではダッチ・シュルツというマフィアが暗躍。他にも大勢いるが、それぞれ『アンタッチャブル』、『ビリーバスゲイト』という映画でそれを見ることができる。

 

今回の兄弟の場合はマフィアというよりは『強い絆の兄弟』だ。絆の強い荒くれ者の彼らが、その時代を生きていくために手を伸ばしたのが密造酒だった。この時代、マフィアが暗躍するだけじゃなく、それ以外の人たちも法律ギリギリの綱渡りをすることが多々あった。あの『俺たちに明日はない』で有名なボニーとクライドも、この時代を生きた人間だ。彼らのように強盗に走った人間もよくいた。

 

 『シンデレラマン』のボクサーもこの時代だ。彼らのように正道を歩いて、逸れずに苦労した人間も多い。だから道を逸れた人間たちを美化することはできない。では、血気盛んな半生を生きてきた私ならどうするだろうか。それは環境次第だ。環境のせいにするということではなく、子供が環境によって大きく影響されて性格が作られるように、無数の目に見えない要素が複雑に絡み合って人間の人格が決まっていく。

 

彼らのような人生を美化はできなくても、完全に悪くも言えない。そういう不思議な時代の人たちのワンシーンを見てみよう。