『彷徨える河』
ポスター画像出典:『映画.com』
実在の学者リチャード・エヴァンズ・シュルテスとテオドール・コッホ=グリュンベルグの手記を基にしていて、時代は1900年代。先住民たちがまだアメリカ大陸の奥深くにいる時代に、学者がそこへ探検・研究しにくるという内容だ。・・というのはかなり浅い説明で、実際にはそれを言うなら『アポカリプト』のような映画の方がそれに近い。詳細は下記の記事に書いた。
アメリカ大陸発見!そしてピサロがインカ帝国を、コルテスがアステカ王国を征服! | IQ. (a-inquiry.com)
15~16世紀にケチュア族によってインカ帝国が興る。『メソアメリカ』といわれるマヤ、アステカの文明は、『石器』を中心とした文化を持っていた。彼らは、ピラミッド建築に長けていたり、マチュピチュ遺跡を作り上げるなどして、独自の高度な技術を持っていた。
[『インカの失われた都』マチュ・ピチュの風景]
スペイン、ポルトガルのコロンブス、ピサロ、コルテスを筆頭としたコンキスタドール(征服者)がこの地に来たのは1500年頃。それよりも更に400年も前の時代だ。だからさらにその時代の映画というなら、『アギーレ 神の怒り』などがそうだ。ピサロがさがしたエルドラド(黄金郷)を探す人々の様子が描かれる。ちなみに、このエルドラドに憑りつかれた冒険者の代表者と言えば、イギリスの冒険家パーシー・ハリソン・フォーセットだ。PS4ゲーム「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」においては、主人公ララ・クロフトがフォーセットの謎を解き、失われた都市がペルーにあると推定する。
今回の場合はエルドラドというより、『謎の植物』を探し求めている。見た限り麻薬のようなもので、先住民しかその場所を知らず、悪用・乱用するなら紹介はできないという流れがある。それももちろん興味深いが、それよりも目を疑うのはカニバリズム(食人)である。先住民のような小規模な民族にあったその習慣は、『アポカリプト』のような人身供養の儀式を考えると蓋然性が高く、宗教の実態としても貴重なシーンである。
これを観て『グリーンインフェルノ』というB級映画に位置付けていた作品が、現実味を帯びてきた。 無知時代、こんなものはあり得ないし、子供が出演していることに腹が立っていたが、歴史を一通り調べたあと、この映画の舞台となったエリアを調べたら、ペルーだった。その意味がわかるだろうか。