ポスター画像出典:『映画.com』
元が児童小説ということもあり、角度が少し普通の戦争とは違う。馬が主人公という、斬新な発想である。だが、戦争は戦争で、描かれる第一次世界大戦の塹壕戦や、凄惨な戦場の姿などは他の映画と全く同じだ。今回の場合、そこに馬を介入させることで、(たしかに馬も戦争の犠牲者であり、彼らとしては共に戦った戦友だ)という意識が芽生えることになる。
また、目線を人間から馬に変えることで、『人間が勝手に始めた愚かな行い』を客観視することができ、例えばこれを読んでいる、観ている人が児童であった場合、戦争という人間が勝手に引き起こした不自然な行動が、大自然の摂理の中で一生懸命生き抜こうとする一頭の馬との対比により、より馬鹿馬鹿しい行動であるように見え、反戦意識を煽ることに成功する。