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『フォーカス』 レビュー(感想)と考察

『フォーカス』

ポスター画像出典:『映画.com

 

ウィル・スミスとマーゴットロビーが共演しているということだけで価値がある作品と言えるだろう。エンタメ性も高く、展開が読めなかったり、細部のプロフェッショナルな論理と説得力は、クオリティを上げることに成功している。ただ、例えば日本の興行収入の上位が300億円近くある作品がひしめく中で、この映画は5億円である。世界規模で考えれば150億円上げていて、製作費も50億円だから莫大な利益が出ているが、この映画が上位にくることはないだろう、という映画である。

 

観てもいいし見なくてもいい。そういう映画はこれ以外にもいくつもある。これが実話なら話は別だが、そうじゃないならその程度だ。だが、それでも100億円売り上げているのならすごいことである。そこに広告費等も引くのかもしれないが、こういうある程度の作品を量産することは、金を儲ける毎日の仕事の一つとして、費用対効果の高い仕事である。

 

さて、この話を聞いてどう思っただろうか。ここに出てくる彼ら詐欺師もまた、こうして淡々と語られ、繰り広げられる現実に、人はただただ流されてしまうだけ、という盲点を突いて面白いことをしてくれる。あなたはきっと『まあまあの映画なのか』と思っただろう。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。一つだけ言えるのは、人は盲信するということだ。